愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『ゼロからわかるエジプト神話』

f:id:kazuyoshisan:20200112185658j:image

4000年以上も前に存在した、エジプト文明

それだけ古い歴史の中で生まれて、語り継がれてきたエジプト神話。

矛盾が多く、異説もあり、体系的に整っておらず、複雑てややこしいと言われています。

 

地域などにより、四つの創世神話があります。

主神もそれぞれ異なります。

日本で有名なのは、オシリス神話です。

エジプトを統一したオシリス、妻のイシス、弟セト、子ホルスが出て来る話です。

宇宙の法則を作った知恵の神、トト。

犬の頭を持つ冥界の神、アヌビス。

猫の顔を持つ、バステト。

他にも、フンコロガシの神、サソリの神、ワニの神など、数多くの動物の神様が登場します。

 

時代は下って、クフ、トトメス三世、ラムセス二世、クレオパトラまで紹介されています。

ファラオは神の系譜、ということなのでしょうね。

日本の神話と通じるところがあるかも知れませんね。

『医者の本音』中山祐次郎

f:id:kazuyoshisan:20200109232416j:image

外科医として、診察や手術に長年携わってきた、著者。

様々な媒体で連載を持っています。

 

風邪は薬では治らないので、患者さんに雑な態度になってしまうことが多い。

 

冷たくしたいわけでは無いが、スケジュールがタイトなため、患者さんとのコミュニケーションを最小限にせざるを得ない。

 

手術中にはリラックスするために、音楽をかける医師がいる。

 

受診は平日の昼がおすすめ。

 

実際のお医者さんならではの、経験と視点がふんだんに盛り込まれていて、とても興味深く読めました。

動物医療と、似ている部分も多々ありました。

そして、己の姿を振り返る、良い機会にもなりました。

お医者さんや獣医さんが読んでも、面白いかも知れません。

『品格のある知的な日本語』斎藤孝

f:id:kazuyoshisan:20200111201718j:image

尊敬語、謙譲語、丁寧語。

日本語には、様々な言葉遣いがあります。

各種言語でも相手をたてる言葉遣いはありますが、中でも日本語はその数が多いようです。

 

実際に使っている人が、それほど多く無いような言葉が、たくさん紹介されています。

それだけに、うまく使いこなせれば、かなりの差がつくはずです。

そして、このような品格のある言葉遣いをすると、優雅で穏やかに過ごせるような気がします。

読むだけでも、そんな気持ちになりました。

小学生にもおすすめ出来る著書です。

『永遠のゼロ』百田尚樹

f:id:kazuyoshisan:20200113084421j:image

ゼロ戦

特攻隊。

日本軍。

司法試験浪人の弟とジャーナリストの姉が、特攻隊員として戦死した祖父を知るために、取材を始めます。

対象は、戦友会で当時の祖父を知る人たち。

海軍の軍人です。

 

最初は、祖父が命を惜しむ、弱い人間だったと言われます。

しかし、取材を続けていく内に、それがどういう事だったのかが分かってきます。

さらには当時の日本や戦争、海軍の偉い人やそうではない人、特攻隊員たちが何を思ってどう振る舞ったかが、解き明かされて行きます。

 

人として、日本人として、知っておくべきことが書かれているように思えてなりません。

この本に出会えて、本当に良かったです。

『日本語教師になるには』ぺりかん社

f:id:kazuyoshisan:20200114101114j:image

外国の方に日本語を教える、という仕事です。

正式な資格は無いのですが、基準となるような資格はあります。

日本語教育能力検定試験

日本語教育を専攻とする大学学科の受講。

などです。

これらがあれば、教員として採用されやすいです。

 

日本で教える場合は、日本語のみで教えることが多いようです。

海外で教える場合は、その国の言語を話せると、仕事がしやすい局面もあるようです。

 

生徒さんにとっては、教員が代表的な日本人、ということになります。

その点では、国を背負っている、というふうに考えることも出来ます。

 

収入はあまり良くないようですが、とても意義があり、やりがいを見いだしやすい職業だと言えるのではないでしょうか。

 

『池袋ウエストゲートパーク 七つの試練』石田衣良

f:id:kazuyoshisan:20200111204553j:image

池袋で様々なトラブルの解決をしているマコトが主人公。

だいぶ前に、テレビドラマ化されたシリーズの、第14弾です。

高校時代に同級生だったタカシは、多くの同年代のメンバーを非合法に動かせる組織の、リーダーをしています。ここを通してトラブル解決の依頼が入る事も多く、協力して行動することも多いです。

 

芸能人がスキャダル写真を元に揺すられる話。

出会い系風俗の話。

などなど。

常に時事ネタを入れてくれるので、リアルな街の様子が見えるようです。

 

最初はカラーギャングと言われていたタカシたちの集団が、今回は半グレと言われていたのには、思わず笑ってしまいました。

『サイゼリヤ革命』山口芳生

f:id:kazuyoshisan:20191228002723j:image

低価格のイタリアンを出すレストラン。

学生などがよく行く、というイメージでした。

サイゼリヤ

その社長である正垣泰彦氏の、考え方や取組みを取材した内容を紹介している著書です。

 

安いというイメージが強いのは、安くしようと努力し続けたからです。

また、安いだけでなく、しっかりした品質の物を出すことも続けています。

もともと目指しているのは、イタリアにある、街の食堂です。

美味しくて、毎日食べられる味。また、前菜からデザートまでコースにしたり、ティータイムにしたりと、コーディネートが出来るように考えられています。

そうすると、それぞれの単品は値段を下げる必要があります。

つまり、明確な考えがあって安くしているのです。

 

従業員に対しても、同様です。

まだ一店舗しかない時期に、お店が全焼してしまう、という事態に見舞われます。

そこまでに経営が苦しかったこともあり、いっそのことやめてしまおうか、という気持ちも芽生えます。

しかし、家族の激励もあり、また大家さんの理解もあり、もう一度同じ場所で頑張ることにします。

それも、従業員の行く場所がなくならないように、という強い思いがあってです。

 

お客さんも従業員も大切にする。

大震災のときは真っ先に、被災者のために水を供給したりします。

一貫して、相手のために、相手を喜ばせよう、という行動原理で動いています。

こんな素晴らしい会社が、ずっと続いてくれることを願いたくなりました。

なかなか出来ることではありませんが、見習うべきところが多く、良い一冊でした。