愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『まんが世界の歴史 4』

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7世紀の始めに、預言者ムハンマドを始祖として、イスラームが始まります。

信者が増えてメッカを支配下におき、4代目のカリフ、アリーまでウンマは大きくなっていきます。

その後、ウマイヤ朝をおこしたスンナ派と、シーア派に分かれます。

ウマイヤ朝アッバース朝にとって変わられ、これがイスラーム帝国になります。

 

2世紀に最大の領土となったローマ帝国は、4世紀に東西に分裂します。

 

西ローマ帝国が滅亡した後、ゴート王国、フランク王国などが支配します。

様々な民族や国が、しのぎを削る状況をカール大帝がおさめて、現在のヨーロッパの基礎をつくります。

 

東ローマ帝国であるビザンツ帝国は、首都をコンスタンティノープルにおき、繁栄します。

そして、ソロモン王の神殿よりも豪華だといわれるハギア=ソフィア聖堂を再建します。

 

11世紀のヨーロッパでは、社会をキリスト教がつつみます。

その結果、教皇が皇帝や王の権力を凌ぎ始めるようになります。

神聖ローマ帝国の皇帝ハインリヒ4世が、ローマ教皇グレゴリウス7世から破門される、という事件がおきます。

そこで破門を解いてもらうために、ハインリヒ4世は雪の中外に立ち続けます。

これを、カノッサの屈辱といいます。

その後、ハインリヒ4世グレゴリウス7世をローマから追放することに成功します。

 

カトリック教会がそれから力をつけて、十字軍に繋がっていきます。

 

『狂言サイボーグ』野村萬斎

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狂言師として、また俳優として、そして教育テレビの出演者として、多岐にわたり活躍する著者。きっと様々な視点が身についているはずです。

 

能とは、有名人の真似をする舞台です。
光源氏小野小町などです。

狂言とは、一般的な誰かを真似するものです。最初に「この辺のものでござる」と言う台詞が入ります。んのー始める人は、代々伝わる形を徹底的に体に植え付けます。

 

(カマエ)胸を張り、背筋を伸ばして腰を入れ、肘を張り、軽く膝を曲げ、顎を引いて、まっすぐ前を向く。ジャンプは飛び上がる時ではなく、降りてくるところで観客に見せ場があります。

 

演じるとは、狂うこと。

狂言師は、感情で狂うのではなく、身体的高揚から、感情を高めます。

そうすると、必ず体は反応して動きます。

一流を極めた人が、様々な経験をして視野が広ければ、それは素晴らしい舞台が出来そうですよね。
舞台を観にいきたいです。

『最速で身につく世界史』

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歴史に関しての本は様々な種類があります。

本書は単元ごとに様々な切り口で、世界の歴史を説明してくれています。

 

人類は共通の祖先から始まっています。

東アフリカで誕生した女性、ミトコンドリアイブがその起源です。

 

羊、八木、牛、今、ラクダにより人類が文明化しました。

 

一神教は砂漠で生まれました。自ら決断すると言う考え方です。

多神教は森で生まれました。店から決定する事はあまりありません。

 

ペルシアの草原でゾロアスター教が生まれました。ユダヤ教に影響与えます。

 

儒教では年長者を敬います。そのため、中国が年長だから偉い、と言う考え方が成り立ちます。

 

ペルシア帝国は現在のイランが起源です。行政区、道路、貨幣等を制定しました。

 

世界史では、以前おかしいとされていたものが公認とされることが度々あります。

 

ムハンマドはメッカを占領したときに、カーバ神殿の偶像を破壊しました。

イスラム原理主義では他の遺産を破壊するのは、これと同様に正しい行為だとみなされます。

 

言語が違えば、同じものでも読み方が変わります。

チャールズ、シャルル、カール、カルロス。

キャサリン、カトリーヌ、カタリーナ、エカテリーナ。

これらは、それぞれ同じ人を指します。

 

コペルニクス的転回 = パラダイムチェンジ

 

国は2種類に分けられます。

1つ目は王国です。王様が代々治めます。

2つ目は共和国です。民衆が代表を選びます。

日本はそのどちらかと言うことを曖昧にしています。

 

民主主義は神の下の平等を標榜しています。

 

明治維新は旧体制のボスを処刑しなかった、という点で、他の革命とは異なります。

 

民族を無視した統合による国家は、戦争や紛争の原因となります。

 

核兵器により世界滅亡の危険ができました。そのため、第三次世界大戦は起こらない、と言うよりは起こせないのです。

 

お金の価値は人気によって決まっています。

 

ネットがお金に変わるコミニケーションのツールとなってきています。

 

どこにいても情報の共有が可能になりました。国家のあり方が今後変わっていくはずです。

 

いろいろな個人の価値観でバラエティーに富んだ世界になっていきます。


ネットの発達以降は、まさにパラダイムチェンジが起きて、様々な価値観の見直しがなされていくはずです。
本書もそのような事に言及していて、今までの歴史書とは、一線を画していると言えるかも知れません。

『心がスーッとなるブッダの言葉』アルボムッレ・スマナサーラ

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テーラワーダという原始仏教の長老である著者が、心を楽にさせる言葉を教えてくれます。

 

ブッダの教えには2つのセクションがあります。

1つ目は良い人間関係を築いて毎日を幸福に生きるための方法です。

2つ目は生きる苦しみを乗り越えて悟りに達するための方法です。

どちらを選ぶかはその人が決定できます。

 

悩みは全て自分の心が作っています。つまり感情自体が悩みです。

宝石を見て、欲しがって思い悩む。
お金を欲しがる。
これらは欲の象徴です。

自分に正直にしてはいけません。

人の心はすぐに悪い方向へと向かうからです。

 

必要なものだけ手に入れましょう。それ以上を欲しがってしまうのは強慾です。

 

喜怒哀楽は良くないです。理性による喜びは良いのですが、感情的な喜びは危険です。

例えば感情的な人は話が通じずに危険です。それと同じです。


人生には意味などはありません。

答えの出ない問いは放っておきましょう。

自己を成長させる努力をしましょう。

 

人から好かれるためには

1、自分にできる方法で人助け

2、よく考えて相手の喜ぶ言葉で話す

3、人のため、人に役立つ生き方をする

4、すべての人に平等に接する

 

見返りを求めない。

 

人の幸せを自分のものと同じように喜ぶ。

 

今の仕事に没頭する。それだけに集中する。

 

問題は起きてから考える。

 

人間のひとりひとりは社会全体からすると、ゴムパッキン程度のものでしかありません。

それは社長も、総理大臣も、大統領も、そして鶏も一緒です。

 

祈っても役には立ちません。それよりも努力しましょう。

 

来世のあるなしにかかわらず、善人であれば幸せです。

 

幸せとは心の安らぎです。

悩み、苦しみ、嫉妬、怒り、憎しみなどで病んでいない状態です。

 

原子仏教は、日本ではあまり知られていません。

もともとのブッダの教えは、とても現実的かつ科学的で、しっくり来る人は多いのではないでしょうか?
このように考えられる人が多いと、世の中は平和になりそうです。

 

 

 

『東大教授が教える独学勉強法』柳川範之

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東大教授である著者は、海外在住だったという事情もあり、一般的な学校に通うのでは無く、

独学でここまで来ました。

その経験などから、本書で独学の方法を提唱しています。

 

学びには3種類あります。

1、明確なゴールのあるもの

資格試験等

2、教養を身に付けるもの

趣味など

3、答えのない問いに答えを出すもの

 

すべての勉強において、常に答えを出すことを意識すると良いです。

常に自分で考えてみる。

 

自分が理解しやすい本と、しにくい本がある。

 

疑問、反論を持つ。必要ならメモをする。

まずは入門書を3冊読みましょう。

合わない場合はすぐに止めて良いです。

 

何を読むかわからない時は信頼できる人に聞く。書店や図書館でたくさん立ち読みするのも良いです。

 

本には正しくないことも、書いてあります。

 

本は2回読みましょう。

1回目はざっと読み、2回目は疑問や反応を持ちつつ読む。

 

解説書を読む。

全部は読まなくても良いです。

 

学んだ内容を自分の言葉で書くと良い。

 

優しい言葉で書く。

 

あせらずゆっくり学ぶ。

 

 

これからは独学が、大人にとってだけで無く、子どもにも主流になっていくかも知れません。

何を学ぶか。どう学ぶか。

読んでいて、ワクワクして来ました。

 

 

『ヴェニスの商人』シェークスピア

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シェークスピアの喜劇精神が最も円熟した頃に書かれた作品です。

 

舞台はヴェニスの町。

そこの商人のアントーニオが友人のバッサーニオのために、ユダヤ人のシャイロックからお金を借ります。

お金を返せないアントーニオに、シャイロックはその命を差し出すようにと、頑強に主張します。

 

ギリシャ神話、トロイア戦争などの歴史、聖書、当時のユダヤ教キリスト教の関係。

ある程度の教養があると、より楽しめるお話です。

他の作品も、読んでみたくなりました。

 

『菜根譚』洪自誠 祐木亜子訳

 

中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚

中国古典の知恵に学ぶ 菜根譚

 

明の時代に、活躍していた学者が著者です。

タイトルは(堅い菜根をかみしめるように、苦しい境遇に耐えることができれば、人は多くのことを成し遂げることができる)。

という言葉に由来しています。

儒教、仏教、道教を学び、足りない部分を他から補い、本書は作られました。

 

相手と時代に合わせて生きる

 

後半生こそきちんと生きる

 

人目につかない場所で徳を積む

 

どこにいても心を自由にする

 

粘り強く努力を続ける

 

世間との関わりを減らす

 

どうにもならないことを悩まない

 

心を落ち着ける

 

名声欲を捨てる

 

口に出す前によく考える

 

つまらない人物を憎まず立派な人物に媚びない

 

言葉で人を救う

 

客観的に物事を見る

 

後悔しない行動をとる

 

常に学び続ける

 

常に無心でいる

 

まさに、仏教や儒教などの良いとこ取り、というような内容です。

後藤慶太、田中角栄川上哲治吉川英治などが、座右の書としていました。

理想もあり、現実に即した部分もあり、実践しやすいのが、本書の良いところのような気がします。