愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『夢を旅した少年 アルケミスト』

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ブラジルの作家による著書で、星の王子さまと並び称される、子どもも読める名著です。

 

スペインで神学校に通う少年は、自ら羊飼いになる道を選びます。

神を見いだせなかったためです。

羊飼いとしての暮らしがすっかり板についた頃に、宝物を見つける夢を見ます。

そこから少年は、夢の宝物を手に入れるために、旅をします。

 

アルケミストとは、錬金術師のことです。

錬金術師は、あらゆる物質を金に変えることや、不老不死の薬を作ることが出来ます。

 

神学校で神を見いだせなかった少年が、旅を通して様々な形で神と出会っているように見えました。

冒険物としても面白いし、扱っているテーマも興味深いものでした。

 

『神社さんぽ』

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神社は日本全国に、数多あります。

その中で、本書は伊勢神宮、出雲、高千穂、奈良、京都の各神社を紹介してくれています。

 

20年に一度、建物を全て新調する、伊勢神宮

 

大きい注連縄が神楽殿にある、出雲大社

本殿と勘違いして、神楽殿だけお参りして帰ってしまう人もいるそうです。

 

宮崎県の高千穂には、天岩戸が御神体の神社があります。

 

奈良や京都はお寺のイメージが強いですが、神社もしっかりあります。

海外の方には、区別がつきにくいような気がします。

 

古事記の話も散りばめながら、各神社のエピソードなども紹介してくれています。

これを読むと、日本の神様が好きになるかも知れません。

『ゲコノミクス』藤野英人

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お酒を飲まない人や飲めない人を、下戸(ゲコ)と言います。

本書はゲコである著者が、ゲコに対してのサービスにビジネスチャンスがあるとして、堤言を色々しています。

 

飲まない人口がかなり多くなってきていること、また、そういう人達のための飲食店が出てきていることが、とても衝撃的でした。

 

 

『90分でブラックホールがわかる本』福江純 カサハラテツロー

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ブラックホールは誰もが聞いたことがあり、ある程度知っていると思っているものではないでしょうか。

しかし実は、その存在は完全に確認されているわけでは無いのです。

そもそも光を吸い込むので、目に見えるものでもない、とも言われていました。
本書では、そんなブラックホールの秘密を明らかにしたり、誤解を解いたりして、丁寧に解説してくれています。

ブラックホールは強い重力を持ちます。

近くにあるガスが吸い寄せられて、エネルギーが発生します。
ガスの粒子同士はぶつかり合い、光が発生します。これにより、ブラックホールを見ることが出来ます。

ブラックホールは、排水口に水が吸い込まれるように、ガスを吸い込みます。
詰まった時のように、吹き出すこともあり、これをブラックホールジェットといいます。

アインシュタイン博士の一般相対性理論により、その存在が理解されました。

ブラックホール周辺のガスやジェットはまだ見えていません。
2020年現在では、ブラックホールについての知見は、まだスタートラインに立った程度です。

『知的障害/発達障害のある子の育て方』

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知的障害はいくつかのタイプがあります。

また、知的障害はさらに多様であり、知識障害と重なる部分もあります。

乳幼児健診が入り口になる場合が多いです。

あまり幼いうちは診断できないことも多く、ある程度の年齢までは焦らないでよい、という考え方もできます。

 

診断の後は、なかなか親としては受け入れられないものです。

焦らず子どもと成長して、徐々に受容できればよい、くらいに考えておくと気が楽なようです。

 

困ってしまう行動をする子には、だいたい意味や理由があるようです。

パニックは収まるまで待つ、高いところに登らない約束を事前にする、自傷を防ぐためにヘッドガードをするなど、事前に対策ができると良いです。

 

両親も大変なので、イライラを解消できるように、頼れる先を確保するように、などの対策をしましょう。

 

昔よりも障害についてわかることが増えてきました。

とは言え、大変なことに変わりはありません。

子どもも親も、なるべく平穏に問題無く、過ごしていけると良いですね。

『語学ボランティア入門』

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オリンピックで有名になった、語学ボランティアについての著書です。

 

海外から日本に来る皆さんに、それぞれの国の言葉で、様々なご案内をします。

フリーガイド、ルートガイド、街角案内など、様々なボランティアがあります。

語学の知識は重要ですが、それだけではありません。

案内スポットの知識、ベジタリアンやビーガンについての知識、日本の人気コンテンツについての知識など、必要なものは多岐にわたります。

だからこそ、語学ボランティアは面白いのかも知れません。

 

登録できる団体なども紹介してくれているので、早速始めよう、となるかも知れませんね。

『最後の秘境 東京藝大』二宮敦人

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作家である著者の妻は、東京藝大生です。

一般的ではない、藝大の様子や藝大生たちは、秘境とそこに生息している不思議な生き物?と言っても良いくらい変わっていて魅力的です。

本書では、実際の藝大生に取材しながら、面白エピソードをたくさん紹介してくれています。

 

藝大は美術系の通称美校と、音楽系の音校に分かれます。

前者はおおらかで、力仕事や汚れ仕事で、身なりに気を使わない人が多いです。

後者はコンサートやパーティーがあるため、スーツやジャケット、物凄くハイソな雰囲気です。

 

試験も独特です。

人を描きなさい。制限時間2日

自分の仮面を作りなさい

装着しなさい。そのときのつぶやきを100字以内で。

 

学祭もすごいし、進路で就職を選ぶ人がほとんどいないというのも、凄いです。

 

カオスなエピソードが満載で、変な常識を壊してくれるかも知れません。

楽しくて気が楽になる、良書です。