愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『風立ちぬ』堀辰雄

恋愛には終わりがつきものではある。

ハッピーエンドももちろんあるが。

お互いに惹かれあっているのに、別れが来ることがわかっているとしたら。

それが死別という、永遠の別れだとしたら。

切ないといえば切な過ぎるのだけど。

相手のことより自分のことを考えてしまいやしないだろうか?

それがおそらく、お互いに怖い。

でも、そんなことはなかなか言えない。

『暗夜行路』志賀直哉

自分が不義の子だと知ったら、果たして耐えられるだろうか。

それも母と祖父の間に出来たなんて。

人生に捨て鉢になってもおかしくは無いだろう。

しかし、若くて健康であれば、自分にもそういう欲望は生まれるわけで。

何とか足掻いて平穏に暮らせると思ったら、妻の不貞行為が発覚。

こんなのもう耐えられないだろう。

心身ともに異常を来しておかしくない。

世の中はままならない。

自分の健康も、ね。

『風の又三郎』宮沢賢治

転入してきて、たったの12日間で、また転校していく又三郎。

転勤族の子どもは、度々の転校を余儀なくされるが、流石にここまでのことはあまりないのではないか。

子どもの目から見るのと、大人の目から見るのとでは、世界は違う。

人外のものは本当にある。

それにしても、12日間で子どもは、いったい何を学ぶのだろうか?

いや、それだけあれば、かなりの物を学べるのが子どもたる所以か。

『手袋を買いに』新美南吉

子どもがどうしてもしたがることや欲しがるもの。

それはためにならない、もしくは危険だと親から見るとわかるのだけれど。

それでも言うことを聞いてくれないことがある。

そしてもはやヤケクソで、それを許可する。

大体は痛い思いをして泣きながら帰って来るのだけれども、

「え?大丈夫だったの?」

親の予想外の結末になることもある。

親も大人だと言っても、まだまだなのだ。

子どもから教わることがあるのは、こういうこと。