愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『子ども介護者』濱島淑恵

ケアが必要な家族いる、という人は意外に多いそうだ。

施設に入れることが出来れば、まだ良い。

家族でケアをしなければならないような事情を抱えている場合もある。

そんな家庭で両親がケアをできなければ、その役割は必然的に子どもに回ってくる。

こうなると、子どもが介護の仕事を担っているのと、ほとんど同じことになる。

大人でさえもきつくて、出来れば避けて通りたいような、過酷な介護の現場もあり得る。

それは学業や日常生活全般に、疲れなどの影を落とす。

様々な問題に繋がることさえある。

若いということは、体力があるということではある。

しかし、子どものうちにしなければならないことや、経験したいことも山ほどある。

それらを犠牲にしなければならないのだとしたら、こんなに酷い話はない。

『在宅医療の真実』小豆畑丈夫

医療費の関係で昔よりも入院しない患者さんが増えている。

その方たちは家で治療を受けながら生活していく。

家族は大変になるかも知れない。

しかし良いことがたくさんある。

家族と患者さんが一緒に生活出来ることで、患者さんの生きる張り合いが出てくる。

昔は末期の人たちが、家に帰りたい、と言ってもそれが叶わず病院で亡くなっていた。

そこが何より大きいのではないか。

家族がその様子を見れる。

そして弱って亡くなっていくのを看取れるというのも、かなりのメリットではないだろうか。

高齢化社会は多死社会でもあるとか。

『ロボットと人間』石黒浩

人間と遜色ないロボットが作られた。

それは自律的に最適な話題で相手と対話する。

日本語でも英語でも、人との違いがない発音をする。

気分や好感度や関係性で対話のバラエティも豊富である。

こうなると人間とロボットの境界線は曖昧になって来る。

これが人間の体を補ったり、拡張するのであれば、それは人の一部のように働く。

人とは何か、命とは何か、そこをしっかり考えておかなければ、収拾がつかなくなる心配はある。

『証言 沖縄スパイ史』三上智恵

当時の日本は太平洋戦争を戦っていた。

末期には一人十殺などという無謀なことも叫ばれていた。

総力戦となると、普通の人も兵隊となり戦争に駆り出される。

少年も同じ。

むしろ相手を油断させられる分だけ、大人よりも優秀だったのかも知れない。

さらには、人を殺すことに抵抗を感じにくかったのでは無いか。

大変恐ろしいことではあるが、子どもは大人よりも洗脳しやすい。

自軍が戦力で劣る場合には、ゲリラ戦をするしかなくなる。そこで戦闘を有利に進めるためにはどうしたら良いか。

戦争はこんなところも悲惨だ。

しかし人類はまだまだ戦争をやめられそうに無い

『皇居の歩き方』

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昔皇居は京都にあった。

天皇陛下が東京に来てから、実は日が浅い。

千年以上も前から京都には天皇はんがお住まいで、時代によってはほとんど塀もないくらいだったらしい。

時は下り、昔の江戸城が皇居に変わった。

一般の人も歩ける。

周辺は多くの人に人気のランニングコースだ。

かなり前だが、皇居に向かって石をなげたり花火を打ち込んだりするような、不敬な行動をする輩が現れたことがある。

天皇陛下は日本の中心である。

危険があるのは、やはり困る。

『独裁の世界史』本村凌二』

民主主義は正しいか?

民主政治は正しいか?

全ての人は平等で、等しく一定の権利がある。

だが何も考えていない人と、国の現状と将来をしっかり考えている人とで、全く同じ一票の選挙権で良いのかという疑問はある。

間違いなく優秀な政治家が政治を行えば、その国は良くなるだろう。

しかし民主政がそれを選べるかというと、甚だ心許ない。

明治から戦後くらいまでは、本当の意味でエリートの政治家が多くいたという。

なんとも羨ましい話ではある。

『八九六四 完全版』安田峰俊

天安門広場で中国共産党体制をひっくり返そうという、運動がかつてあった。

十万人の学生や市民が集まったが、軍隊が出動してこれを鎮圧した。

緘口令が敷かれているため実際に何が起きたのかは定かではないが、一万人が殺されたという説がある。

現在中国では、このことをネットでも資料でも、調べる事は出来ない。

あれ以降、人民は体制に取り込まれたり、民主化を諦めたりという状態になっている。

まるで日本の現在の若者のように…。