愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『一日一生』酒井雄哉

天台宗の大阿闍梨である著者は、過酷な修行である千日回峰行を二度も成功させます。 2度の1000日回峰行を経てどんな変化があったか? →変わった事は何もない 長く歩くコツ 疲れていない部位に意識を集中させて歩く 自分自身はいつも新しくなっている 1日も同…

『Dear KAZU僕を育てた55の手紙』三浦知良

Jリーグの最初のスーパースターであり、未だに現役であり続けるレジェンドでもある著者。 長いサッカー人生の中で、多くのサッカー人と知り合いました。 本書はそれらの人々との一往復の書簡集です。 ジーコ スクラビー ロベルト・バッジョ ピクシー 文通相…

『地理の話大全』

世界各地の様々な知識を紹介している百科事典のような著書です。 所変われば品変わる。 国や地域によって、今ここの場所では想像もつかないことがあるのですよね。 若干ですが、歴史も入って来ます。 そうすると本当に色々なことがあります。 文章が短くて読…

『私がオバさんになったよ』ジェーン・スー

著者と各界著名人との対談集です。 光浦靖子氏、宇多丸氏など、実に様々な分野に渡ります。 オバさんと呼ばれる年齢になった著者が、自由に言いたいことを言うさまは、ある意味爽快です。人によっては、頭に入って来ないのでしょうけど。

『ダーリンは外国人』小栗左多里

漫画家である著者と外国人である旦那さんとの日常を描いた作品です。 タイトルから文化の違いによる様々な出来事を想像して、読み始めました。 実際に、たしかに著者と旦那さんとの間で多くの違いがあり、それが浮き彫りになって行きます。 ただし文化の違い…

『絶対に住めない世界のゴーストタウン』

住む人のいなくなった住居や町。 手入れをされないと、建物や道路はどんどん干からびたようになっていきます。 古代の遺跡はゴーストタウンという見方が出来るのですね。言われてみれば、ですが、ゴースト数はピカイチかもしれません。 しかし新興住宅街が計…

『影武者 徳川家康』隆慶一郎

『一夢庵風流記』などの著者です。 作家として五年しか活動出来なかったのが惜しまれますが、多くの傑作を残してくれました。 関ヶ原の開戦直後に家康が暗殺される、という衝撃的な出だしで物語は始まります。 主人公は家康の影武者である、世良田二郎三郎で…

空白の記憶

はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」 わたしは府中刑務所の独房にいます。 捕まってから今日に至るまで、あの日を考えないことはありませんでした。 何をしているときでも頭の片隅には違和感を伴ってそれがあって、霧か雲のように靄がか…

『道元 正法眼蔵を読む』角田泰隆

歴史の授業で曹洞宗の開祖は道元である、と習ったことを覚えているでしょうか? ある大学教授は道元の著者である正法眼蔵を、お前ら学生にわかってたまるか、と言いました。 心の中で、俺にもわからないのに、という言葉を抱えながら。 道元は自ら宗派を決め…

『トットちゃんとトットちゃんたち』黒柳徹子

徹子の部屋の主、『窓際のトットちゃん』などの著者である黒柳徹子氏。 ユニセフの親善大使としても活躍しています。 本書はその活動を紹介するものです。 子供は家族が殺されたら、自分が悪い子だからだと考える 大人が死ぬ時(痛い)、(苦しい)と訴える。子…

『発達障害の僕が輝ける場所を見つけられた理由』栗原類

モデルやタレントとして活躍する著者。 小さい頃に発達障害と診断され、それと上手く付き合いながら生きてきました。 発達障害:知覚 (聴覚)過敏が多い、自分にとって嫌な音に耐えられない 物の場所等が変わると嫌 触れると嫌なものも嫌、粘土など 小さい頃か…

『荒れ野にたつイエス』前島誠

イエスとは何者か? 一般的な日本人には、それほど馴染みも無ければ興味も無いお話でしょう。 しかしそれを知っておくと、様々な文化を知る手掛かりになるはずです。 イエスはヘブライ人。聞き手も記録者も。 ユダヤの言語だと留意して聖書を読む必要がある…

『国語ゼミ』佐藤優

AI時代を生き抜くには、国語力が必要だと著者は述べます。 本書は、著者の考える国語力を伸ばすための集中講義です。 Siriにはまずいとおいしいの違いがわからない さらに〜以外の、もわからない 読む力を土台にして、国語力が身につく 国語力=問題を発見…

『世界倒産図鑑』荒木博行

世界の様々な有名企業が、倒産の憂き目に合っています。 本書はそれぞれの原因や経緯を紹介して、さらに教訓を載せてくれています。 完全に原因がわかっていれば、通常は回避出来そうな気がします。 それでも動かなかったり、変な安心感を持っていたりして、…

『美しいものを見に行くツアーひとり参加』益田ミリ

オーロラとかクリスマスマーケットとか、美しいと著者が思ったものを見に行くツアーの参加記です。 40代になった著者は、痛切に世界の美しいものを見たい!と思うようになります。 独り身なのと休みが取りやすい自由業なのと、もっというと参加したツアーを…

『ルポ 新大久保』室橋裕和

新大久保に住み始めることにした著者。 元々はコリアンタウンとして有名です。 しかし実際には、ベトナムや中国やフィリピンなど、とても雑多な多国籍の街です。 自由業でフリーな一人暮らしの中年男性である著者は、様々な店に行きやすい立場です。 街の住…

『サッカー最強の戦略』鈴木正治

どうしてだろうこんなに上手くいかないのは。 そうだ、戦略だ! 戦略が何かは知らないのですけどね。 マーク相手から少しだけずれた位置に構えて、インターセプトを狙っておく 前を向かせない 膝を曲げて重心を落としておく 片足を少し引いておく 相手の目線…

『比ぶ者なき』馳星周

この世は自分のためにあるようだ そのように唄った藤原道長。 中臣鎌足が中大兄皇子から藤原の姓を頂き、その子不比等が、藤原氏が隆盛する礎を築きました。 本書の主人公は藤原不比等です。 様々な権謀術数が渦巻く政の世界で、自らの欲望を成し遂げていき…

子ども向け

今週のお題「寿司」 サカナはDHAやEPAが豊富に含まれているから、食べると頭が良くなるんだよ。 だから食べなよ。 そう言っても、うちの子はなかなか魚を食べません。 焼いても煮てもソテーしても。 しかしお寿司だと、マグロもサーモンもカンパチも大…

『おひとりさまvs.ひとりの哲学』

ひとりで生きる、もしくはひとりで死ぬことについての対談です。 生きて死ぬということは、自然と宗教の話にもなります。 男性の視点からと女性の視点から。 哲学と名のつく本の著者と、おひとりさまという名のつく本の著者の対談です。 vs.となっていますが…

『日本国紀』百田尚樹

日本という国が出来てから現在までを解説している著書です。 イザナギとイザナミがお父さんとお母さん、となりそうです。 神話の時代から卑弥呼の時代になります。 この辺りから、朝鮮や中国との関わりが出てきます。 つまりここで日本という認識が出来たと…

『アラビアン・ナイト』

千夜一夜物語としても知られる、古典的な名著です。 最初にUKの訳者による解説があります。 アラビアのお話はとても面白くて素晴らしい。 それらに並ぶUKのお話は『巨人殺しのジャック』と『トム・ティット・トット』くらいだろう、と述べています。 シ…

『怖い間取り2』松原タニシ

事故物件という、殺人事件や孤独死があった物件に住むことを生業(?)とする、芸人さんです。 数々の怪奇な事件が起きます。 ラップ現象は当然あるよね、という感じです。 人形の髪も伸びるし、動画には変なものが映り込みます。 前作でもそうなのですが、著者…

『いきたい場所で生きる』米田智彦

今はネットの環境があれば、どこでも仕事は出来ます。 本当にどこでもです。 その場所で大変なことはそれぞれあるけど、やはり自らが選んだ場所であれば、楽しくて幸せに暮らせそうです。

『ALSを生きる』

ALSとは、持続的に全身の筋肉が萎縮してしまう難病です。 現時点では有効な治療がない、とても厄介なものです。 著者はその病気を発症してしまいます。 大学で教鞭をとり、テレビなどのメディアで活躍し、自身が興味のある分野の研究を思う存分にして、と…

星の上の方

今週のお題「住みたい場所」 年を重ねると体が痛んだり、重く感じたりするようです。 宇宙について書いた本で、そのような老人にオススメの暮らし方が提案されていました。 重力の弱い所で住むという方法です。 月だと地球の六分の一。 体が軽いので負担は少…

『三谷崖っぷち日記』大山史郎

大阪の西成地区。 東京の山谷地区。 素泊まりの簡易宿泊施設(通称ドヤ)が立ち並ぶ、ドヤ街です。 著者はこれらの場所で日雇い労働者として生活してきた人格です。 一部屋にベッド込みの狭いスペースがいくつか。 これがドヤです。 隣人と、しきりを隔てて8…

『死刑 究極の罰の真実』

死刑という刑罰があります。 犯罪をした人物を殺すという、最も重い罰です。 現在の日本では絞首刑という方法で、これが存在しています。 むかしの各国では、火炙り、斬首、石打ち、磔刑など、さらに程度が分けられていたりもしました。 本書では、死刑にな…

『100分de名著 アルプスの少女ハイジ』シュピリ 松永美穂

かなり昔にアニメで放映されていた『アルプスの少女ハイジ』 これには原作があります。 1800年代のスイスで、ハイジという少女が人格を形成していくお話です。 シュピリは売り上げを普仏こ戦争の看護師に寄付していました 女性教育にも尽力し、高等女学校で…

『怒らないこと2』アルボムッレ・スマナサーラ

原始仏教は、宗教と考えなければとっかかりやすいはずです。 単純に幸せな気持ちで過ごす方法や、自らをより良いものにしていく方法、と捉えられれば。 怒らない事は生涯をかけて目標とするのに良いテーマである だらしのない人格には不可能 怒らなければ幸…