愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

2023-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『女という生きもの』益田ミリ

小さい頃から漠然と考えていた、理解不能な女子という生きもの。 大人になってもあまりよくわからない、女という生きもの。 そのイメージにある程度の答えを与えてくれるのが、本書です。 「ああ、そうか。こんなことを考えるのか」 読んでいて納得する部分…

『危機の時代の歌ごころ』今野寿美

死に死にたまうことなかれ 反語の言い回し:強く述べるために逆の言い方をして疑問形で結ぶ 例)あなたの親は人を殺して死ねと24まで育てたのですか? 一連毎の趣旨が明確、フレーズと配置が丹精、リフレインが効果的、七五調、弟を思う心情から戦争の悲惨さを…

『韓国でも日本人は立派だった』喜多由浩

従軍慰安婦だとか徴用工だとか、日本と韓国の間には難しい問題があります。 それは誰のいうことを信じれば良いのか、なかなか判断しにくいところにもあります。 ともすると酷いことばかりしていたように言われる旧日本兵。 しかし本書では、韓国で立派だった…

『日本人のちょっとヘンな日本語』

「教科書的な」という言葉があります。 これは教科書ではそう書いてあるけど、現実的ではなかったり、実際には違っていたりする時に使います。 本書では、英語学校に通う様々な日本人の『ヘンな英語』をマンガで紹介しています。 どれも言いたいことは日本人…

『なぜ倒産』

企業にも寿命がある、と言えるかもしれません。 そりゃあずっと続いて欲しいと思いながら、経営者は仕事をするのですけれども。 本書では、ある程度なの知れた企業が、どのような経緯で倒産に至ったかを紹介しています。 何とかしようと考えたケース、何とか…

『風俗営業取締り』永井良和

現在の日本で風俗営業は、ある線を越えたら違法とされています。 また、ある種のお店を新しく始めるのは、とても難しいとされていたりもします。 本書では、普段生活をしていてあまり目にすることのない、風俗営業について詳しく書いてあります。 現状どうな…

『俺か、俺以外か。』ROLAND

ホストで成功してから引退し、今は芸能人として活躍している著者。 どちらの職業も人気が必要です。 そのためには、どんな考え方や行動が必要なのか? そのヒントになるかと思い、本書を手に取りました。 確かにそうかな、と納得する部分もあり。 完全にふざ…

『中国・韓国の正体』宮脇淳子

中国と韓国、どちらも日本の隣国です。 当たり前ですけどその地理はずっと昔から変わらず、これからもずっと同じです。 いや、何万年という単位で大陸が移動するまでは。 そんな長い付き合いの彼の国を、私たちはやはり詳細に知っておくべきですよね。 実際…

『東京拘置所のすべて』

ここに入るんですよ、悪いことをしたら。 それなのに? それだから? 我々一般人には、その内部を詳細に知る者がそれほど多くはありません。 本書ではその内部の仕組みや状況を、わかりやすく伝えてくれています。 これでいつ入ることになっても安心? いや…

『笑う日本史』伊藤賀一

学校の授業で歴史を学んでいた時に、特に笑った記憶はありません。 普通に考えれば当たり前でしょうけど。 しかし本書は違います。 始めから終わりまで、笑うところが満載です。 流石に大爆笑はそんなにありませんが、クスリとしてしまうエピソードが盛りだ…

『佐藤愛子の世界』佐藤愛子

本当に元気な人、というイメージの作家である、佐藤愛子氏。 本書はその著作の一部分や、対談などをたくさん紹介している、盛りだくさんな内容です。 自身で短気だと言い、実際にそのように振る舞うのですが、なぜか気持ちが良いのは本人の人徳なのでしょう…

あまいに何をかけますか?

今週のお題「あまい」 甘い、辛い、苦い、酸っぱい、しょっぱい。 味の表現には色々あります。 それぞれは異なるはずですが、甘いのは何故か他と並列し得るという、変わった特徴があります。 甘じょっぱい、甘辛、甘酸っぱいなどです。 (甘苦いとは、あまり…

『世界が憧れる天皇のいる日本』黄文雄

日本は開国前から法治社会だった 民衆には尊法精神があった 日本は世界一「何でもある国」 →多様性の是認 昭和天皇の大喪の礼には、世界164ヵ国が参礼 アジア、アラブでは3〜7日喪に服す国も多かった 戦国時代、皇室は最も衰えていた それでも日本人は天皇を…

『自分を好きになりたい。』わたなべぽん

子どもの頃に親から精神的な虐待を受けた著者。 その弊害として、自分を好きになれなくなってしまいました。 しかも恐ろしいのは、その原因や状態になかなか気づきにくいことです。 本人はただただ生きにくかったり、辛かったり、暗かったら、ネガティブだっ…

『死刑囚の手記』免田栄

冤罪事件の元死刑囚としてかなり有名な著者の手記です。 事件の様子や拘置所の様子や冤罪が晴れて釈放されるまでの経緯が、本人の心理などを含めて詳細に記述されています。 実に数十年の間、自分が何も悪いことをしていないのに汚名を着せられて殺される恐…

『まなの本棚』芦田愛菜

子役としてドラマで可愛らしい姿を見せていた著者。 そのイメージとはもはや違って、読書家で聡明な一人の女性の姿がそこにありました。 本書は自身の読んだ本の内容や感想を集めたものです。 どんな種類の本をチョイスするかから始まり、内容のまとめ方や、…

『いきたくないのに出かけていく』角田光代

作家である著者は、こちらからすると旅行が趣味のように見えます。 しかしそんな著者も、実は行きたくない、気が向かないとう気持ちはあるようです。 その点では、数多くの旅行記と一線を画していると言えそうです。 行きたくもないのに出かけるって、ほとん…

『正しい日本語どっち?500』

的を射る、的を得る 正しいのはどっち? すぐには答えられなかったり、長い時間迷ってしまったりする問題が、なんと500問も集められています。 わたしたちは日本人だから、せめて正しい日本語を話したいところですよね。 何もかもまずはそこから、のはずです…

『日本人の知らない日本語 3』

日本人学校の教師が、外国の生徒たちから受けた質問や面白い言動などをマンガにしたお話の第3巻です。 文化というか教育というか、そういう違いが人間形成に大きく影響するのだという事が、とてもよくわかります。 日本に来て日本語学校で学ぶからには、み…

『マンガでわかるオペラの見かた』

オペラを見に行きたいのですが、尋常じゃないくらい敷居が高いですよね。 調べたらやっている日時やチケット料はわかるのでしょうけど、それすら敷居が…。 そんな情け無いわたしのような者に丁度良いのが、本書です。 数多くの有名な、有名であろうオペラの…

超短編小説『時効』

特別お題「今だから話せること」 もう時効だから話せます。 と言っても、今は時効は撤廃されているのでしたね。 ふふふ…。 じゃあ、話せませんね。 それでは失敬。

『狂言へござれ』野村萬蔵

小学生の頃、国語の教科書で狂言を初めて目にしました。 『附子』という、太郎冠者と次郎冠者が活躍する話です。 細部は忘れましたが、落語の『まんじゅう怖い』のような、面白おかしい話だったと記憶しています。 以来、かなり大人になって歌舞伎座で見るま…

『地政学見るだけノート』神野正史

地政学:政治と経済の双方で重要 世界の4大勢力 1、大西洋同盟(アメリカ勢力圏) 2、ロシア勢力圏 3、イスラムベルト 4、大中華圏 アメリカは領土を得るのではなく各国に軍事拠点をおいて、覇権を維持している 一帯一路 :危険視され始めている ソ連から独立し…

『世田谷一家殺人事件 銘肌鏤骨』斉藤寅

平和に暮らしていた一家が、ある日突然皆殺しの目にあったら? それも恐らく、なんの面識もない相手による犯行だとしたら? そんな事に会うのはたまらないですよね。 でもこれは現実に起きた事なのです。 しかも、解決すら出来ていないという。 銘肌鏤骨とは…

『ギャンブル大国ニッポン』古川美穂 岩波ブックレット

東日本大震災後の孤独死:約30%がアルコール性肝硬変 震災のダメージが強い人ほど、パチンコにのめり込む 20歳から60歳まで小遣いの範囲でパチンコをしていた人 →リタイア後、2 〜3年で退職金を使い果たし、多額の借金を抱えた、と言う事例がある。 依存症は…

『マザー・テレサ語る』

マザー・テレサと周囲の人たちの言行録です。 よくぞそこまで出来るなあ、という素晴らしいエピソードが満載です。 きっと多くの人が、彼女たちの行いにより救われたであろうことは、疑いの予知がありません。 信仰の力は本当に大きいのだと実感しました。 …

『なんとか生きてますッ』大宮エリー

お酒が大好きで、とても元気な著者。 表紙のイラストとタイトルが全てを物語るように、飲酒の上で失敗したエピソードが盛りだくさんのエッセイです。 本人は忘れているから、翌日、同席した人に連絡を取って何があったのかを聞いて、それを文字に起こしたも…

『源氏物語』紫式部 瀬戸内寂聴

CDにジャケ買い、という言葉があります。 本書はあまりに装丁が綺麗なので、カバー買いをしてしまいました。 源氏物語は、世界最古の小説と言われている、日本文学の中でもかなり価値の高いものです。 原著で読めると良いのですが、悲しいかな現代の私たちに…

なせばなる なるようになる ケセラセラ

もしかしたら物心がつくかつかないかの頃に、「トイレでうんちオシッコをしなきゃ」 なんて考えていたような気がします。 いや、もっと前に「お腹が空いたから泣かなきゃ」とか? もう生まれたから「空気を吸わなきゃ」とか? まさかね。 しかし、私たちは実…

『夢十夜』夏目漱石

見た夢の話なんて、間違いなく楽しくないですよね。 話している本人は良いのでしょうけど、聞いている方はたまったものではありません。 でもそれが稀代の文豪の手によるものだとしたら。 本書はそれをさらにマンガにしたものですが、原作のエッセンスが十分…