人の生と死を扱った本にとても興味深いことが書いてありました。
ラットを用いた研究の内容です。
生きている時と死んだ後の体重を比較すると、とっても微妙なのですが一万分の一だけ、体重が減ったという報告があるそうです。
ところで生物からは常に水分が失われています。
これを蒸散といいます。
具体的には、汗をかいたたり、唾液などから水分が失われていく現象です。
当然体重は減ります。
最初にこの記述を読んだときに、私はこの蒸散によるものではないかと思いました。
しかし、続けて記載されている箇所を読んで、はっとしました。
目覚まし時計を分解しても同じ現象が起きます。
目覚まし時計をバラバラにすると、ネジなどの部品だけになります。
そして、時間を刻むこともなく、一定の時間をアラームでお知らせすると言う機能も果たさなくなります。
そして、分解前と分解後の重さを比較すると、やはりとても微妙なのですが一万分の一だけ重さが減るそうです。
そしてこの、一万分の一という重さが、命であったり魂であったり思いの重さなのではないか、と書かれていました。
目覚まし時計も、思いや役割と言うか使命のようなものがある、という事です。
私は獣医という仕事柄、研究論文などを読む場合には懐疑的に見る目が必要だと思っています。
正確に検証していかなければ、動物の治療を間違ってしまうからです。
しかし今回の研究に関しては、そういった小難しいことを言わずに、好意的に捉えることにしました。
自分を含めた全ての命に対して、のみならず全てのものに対して、尊重して丁寧に接することができそうだからです。
そういえば、小さい頃に父親から「お米ひとつぶには7人の神様がいる」と言われたことを思い出しました。
日本人は昔から、命や物の大切さは知っていたのかもしれませんね。