愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

獣医は故障した道具を直す(治す)のも得意

犬や猫などの動物を診察して治療をしています。

一般の方から良く言われるのは「色々な種類の動物を診るのは大変ですよね」とか「噛まれて大変ではないですか?」といった事です。

しかし、一番大変なのは動物が喋らないというところにあります。

 

動物病院に来る動物たちは、何らかの異常をご家族のヒトが感じたために連れて来られます。

・ご飯を食べない

・何となく元気が無い

・右の後ろ足を庇う

・お腹の毛がハゲてきた

などです。

(ちなみに、内科・外科・皮膚科・歯科・心療内科などなど、ありとあらゆる診療科を診なければならないのも大変なのですが、それはまた別の機会に)

 

私たちが診療する際に考えるのは「なぜこの症状が起きているのか?」です。

口が痛い、吐き気がする、お腹が痛い、だるい、といった理由でご飯を食べないという同じ症状が出ます。

腰が痛い、お腹の一部が痛い、膝が痛い、爪が折れた、足の裏にとげが刺さった、これらのうちのどれでも足を庇うという症状が出ます。

 

そこで、口を開けてみて歯がグラグラしているのを見つけたり、お腹を触って痛がる場所を見つけたり、場合によっては上あごの右の奥歯と左の奥歯に橋をかけるように枝が挟まっていたりします。

「言ってくれれば良いのに!」

そんな感じで毎日診療しています。

 

普段家では壊れた娘のおもちゃや、家具や簡単な家電などを直したりもしています。

そういえば、喋らない物をしっかり観察して、ネジの緩みやボタンの歪みを見つけて直すのは、動物の診察と治療に通じるところがあります。

そう考えると、以前より修理が得意になった気がするので、きっと優秀な獣医になっているのかも知れません。

職場でも、頻繁に物の修理をお願いされます。

「院長、バリカンが刈れなくなったので直してもらえますか?」

「院長、掃除機のコードが勝手に巻き取られてしまいます」

「院長、ビンの蓋が開かないんですけど」

 

よく考えたら、何だか便利に使われているだけな気がしてきました。

でも、役に立てているので良しとしましょう!