愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『1億5千万円の恋』なお

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恋は盲目という言葉があります。

恋をすると世界が変わる、自分も周りも何もかもが変わる、という事があります。

 

一般的な家庭に生まれ育って、普通のOLをしていた主人公なお。

そんな彼女がホストに四年間のうちに一億五千万円を注ぎ込む、という恋ち落ちます。

そんなお金は当然普通のOLに稼げるわけは無く、ソープランドで働き始めます。ハードな仕事のため休みがあるのですが、そこをさらに別の風俗で働くという、物凄い事をします。

途中で体調を崩してしまうのですが、見ているこっちがハラハラしてしまいます。

 

本書はブログをまとめたもので、日付つきでなおとホストとの会話や出来事や感情が、主人公の目線で語られて行きます。

全てが主観的で感情の描写がとても多いです。

ホストの彼を好きだという気持ちが痛いくらいにわかります。そのため、自ら太客という立場で良いと決め、それ以上の立場を拒否します。

その立場であれば、ホストから拒絶される事が絶対にないからです。

ある意味では、それくらい好きなのだと言えなくもないです。

 

もともとホスト相手の恋なんて成就するはずもなく。

しかし主人公は物凄くホストを好きになってしまい、自ら離れて他の彼が出来ても、その気持ちは持ち続けます。

いびつ、不健全、不器用、天邪鬼。

様々な負の言葉が思い浮かんでしまいますが、好きだという感情が強烈過ぎて、ただただ切ないです。

 

現在、好きな人がいる、という人には良いかも知れません。

元気が無い人は、心の調子が落ち着いてからの方が良いと思います。

ある意味で、かなり読み応えのある本です。