愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『大家さんと僕』矢部太郎

 

大家さんと僕

大家さんと僕

 

 

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あまり売れていないお笑い芸人さんが、大家さん一人、賃貸人一人の建物で暮らすお話です。

下の部屋と上の部屋で携帯で話したりして、少し距離のある二人暮らしの様な状態です。

 

高橋留美子さん原作の『めぞん一刻』を思い出しましたが、86歳の大家さんと39歳の僕とでは年の差があるようで、2人の距離は中々縮まりません。

いや、そういう漫画では無いのですけど。

それでも2人で食事や買い物に行ったりします。これは作中の言葉を借りると、ランデブーに他なりません。

また、他の芸人さんと話している時に、話題に上がった別の人の話を大家さんの話題と勘違いするシーンでは、大家さんへの恋心を薄っすらと感じます。

 

大家さんが新喜劇でスベっていた主人公に、皆さんは笑いがあったけど、アナタの演技はシリアスで良かったわよ、という場面はリアルで悲しくなりつつも笑えます。

 

作者はお笑いコンビ「カラテカ」の矢部太郎さんです。

以前、日本テレビ番組「進め!電波少年」の企画でケイコ先生に教わりながら、東大受験をした人です。

まさかこんな漫画を描けるなんて、とてもびっくりしました。

漫画に出て来る細身の僕が、ご本人にとてもそっくりです。

小さくて頭がふわっと大きい大家さんも、きっと似ているのだと推測され、実物を見てみたい気持ちでいっぱいです。

 

全体を通して穏やかな雰囲気が流れています。

そしてこれは、おそらく恋愛モノと言って良いのかも知れません。

ご自身の恋愛に疲れた人には読んで頂きたい漫画です。

きっと癒されるはずです。