愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『パチンコ30兆円の闇』溝口敦

 

パチンコ「30兆円の闇」 (小学館文庫)

パチンコ「30兆円の闇」 (小学館文庫)

 

 

f:id:kazuyoshisan:20180723013715j:image

ある外国の方が言いました。

日本には、歩いてすぐに行ける場所に、いくつものカジノがある、と。

そして、そこのお客さんは、普通の家庭の主婦がとても多い、と。

これは、日本のパチンコ屋の話です。

 

パチンコやパチスロで10万円勝った、みたいな話を聞いた事はありませんか?

良く考えるとおかしな話です。何故なら、日本でこれらは、合法のギャンブルでは無いからです。

これは、三店方式という仕組みで、パチンコでお金を稼ぐ事を合法化しているから、可能になっているのです。

パチンコで勝った客はホールから特殊景品という物を受け取る。

特殊景品を買い取る店舗がホールに隣接していて、そこで客は換金する。

店舗は景品問屋に景品を持って行き、お金に変える。

問屋はホールに景品をおろす。

これが、パチンコで客がお金を得る事を合法化している仕組みです。

ここで恐ろしいのは、客以外がそれぞれ売買をする際に、マージンを取れるという事です。

これでは客に設けさせる訳は無く、カジノの方がまだ健全な気すらします。

 

パチンコ業界には、様々な業界関係者がいます。

打ち子は、店が用意した台で出玉を出します。

たくさん出して、他の客の射幸心を煽るのが仕事です。それだけかと思ったら、まだ裏があります。経理上は店の損失として計上出来るので、店側としては二重に美味しいのです。

そもそも打ち子を使うホールは、違法に出玉を操作出来るという事を意味します。

ここでも、客が勝てる訳が無いと分かります。

 

ホールから違法にお金を掠めとるゴト師などもいます。

台や打ち方に細工をするのですが、スネに傷のあるホールは、なかなか警察による取り締まりを受けるのも難しいようです。

 

依存症の人が相当数いて、家庭崩壊や借金や自殺などの深刻な問題が蔓延している業界です。

それなのに、これらの事があまりにも軽視されています。

今後は日本にもカジノが出来ます。

ギャンブルに興味のある人は、是非知っておいた方が良い事実が、たくさん書いてあります。