ほとんどの人は、死ぬ間際に何らかの後悔を抱えていて、それを果たせぬままに、亡くなって行きます。
いまわの際に「もう思い残すことはない」と胸を張って言える人は、多くの人より早くから、いつ死んでも後悔しないように、問題を後に残さないような生き方をしています。
「タバコを止めておけば良かった」
肺癌で亡くなる人や、肺気腫で呼吸が苦しくて仕方ない人の言葉。
「人生はあっという間であった」
等しく皆が言い残した言葉。
夢を叶えられなかったことよりも、中途半端に諦めたことにたいして後悔することが多い。
些細な事柄にあれこれ心を惑わせ過ぎた。
死ぬかとからすれば、泣いたり怒ったりするほどのことはない。
皆同じように死んでいくことを知っていれば、恨んだり羨んだり妬んだりせず、穏やかに生きられた。
故郷に帰っておけば良かった。
仕事ばかりでなく、病気になっても出来るような趣味があると良い。
旅行には行っておく。
会いたい人には会っておく。
良い恋愛をしておく。
生と死について、自分なりの哲学を持っておく。
著者は、終末期医療の専門家です。
ホスピス医として多くの患者さんの治療に携わって来ました。
そして、それはつまり多くの患者さんを見送って来た事に他なりません。
そんな著者が聞いた、患者さんの声を綴った本書は、心というか魂の叫びのようにすら感じられます。
考え方は人それぞれなので、25の中にはしっくり来る物もそうでない物もあるでしょう。
しかし、本書は全ての人にとって、かなりのプラスになるはずです。
それは、人はすべからく必ず死ぬという事を認識出来るからです。
また、多くの人がそれを自分が死にそうになるまで忘れていて、それまでの生に後悔を残してしまうという事実を知れるからです。
死ぬ瞬間に後悔を感じてしまうのは、あまりに悲しいです。
最早、どうする事も出来ないからです。
本書は、死ぬべき運命の全ての人に、元気なうちに読んでいただきたい作品です。