家具や小物などが、作られてから100年経つと、付喪神と呼ばれる存在に昇格します。
自分の意思を持ち、言葉を喋るようになるのです。
江戸で布団や小物などを貸し出す商いをしている姉弟がいます。
そこの商売道具の中には、付喪神がたくさん。
気がつくと、付喪神同士で自由におしゃべりを始めます。
姉弟とは話さないようにしてくれているのですが、来客があるあるのに話し始めることがあるから、大変です。
変な噂が出て商売に差し障りがあるといけないので、姉弟は話し始めた付喪神を叩いたりして、何とか誤魔化さなければなりません。
また、口さがない付喪神に言いたい事を言われて、カリカリしてしまったり。
やはりガツンと叩いたり、投げたりします。
一応、神と名前のついているものを結構雑に扱っているので、読んでいて多少ハラハラしますが、姉弟と付喪神はそれで良い関係なのでしょうね。
それにしても、付喪神は聞くことが出来て、話すことが出来ます。
言って見れば、自分の意思で話す盗聴器のようなものです。
そう考えると、恐ろしいですね。
もしも江戸時代に盗聴器があったら、というお話なのかも知れませんね。