お年寄りが足などを骨折して、歩けなくなってしまうことがあります。
若ければしばらく安静にしていれば治るのですが、そうはいきません。
安静にしている間に筋力が落ちてしまい、関節も硬くなってしまいます。
そして悪くすると、寝たきりになってしまう。
そうするとさらに体力が落ち、免疫力も落ちます。そこから感染症を招き、ひいては命を縮めてしまうと言うことが起き得ます。
つまり、お年寄りがしっかりと歩けると言う事は、健康で長生きするためにとても大事だといえます。
お年寄りが転びやすくなるのは、いくつかの原因があります。
まずは筋力の低下です。歩くために必要な筋肉はお尻周りと足の筋肉です。それそれは筋肉が落ちないように、しっかり使っていくと良いです。
認知症や視力の低下もつまずいたり転んだりの原因になります。
それぞれ病院で治療したり視力を矯正したりして、適切に対応しておきたいものです。
また、薬の副作用も転倒のリスクになります。
睡眠作用や筋弛緩作用があるお薬は、起き抜けにふらついたり転んだりする心配が特に増えるので、注意が必要です。
他にもめまいやふらつきが副作用として出てしまう薬があります。
少しでも違和感を感じたら、お医者さんや薬剤師さんと相談することをお勧めします。
意外かもしれませんが、お年寄りが転んでしまう事故は、ほとんど自宅で起きています。
そのため、手すりを取り付けたり、床材を滑りにくいものに変えたりなどで、転倒事故をかなり減らすことができます。
歩き方は、すり足ではなく踵から接地したほうが安全です。
背中が丸くなるとすり足になりやすいので、できるだけ背筋を動かして歩きましょう。
場合によっては、杖を使った方が歩きやすいです。
1.帰り道に疲れてしまう
2.パーキンソン病
3.膝関節の変形による痛み
4.脳卒中の後遺症で足を振り出すにくい
5.圧迫骨折などにより背中が丸まっている
これらの人は、杖を使った方が歩きやすいかもしれません。
杖には様々な種類があります。
T字杖、4点杖、ロフストランドクラッチ、松葉杖などです。
サイドケインやシルバーカーなどの歩行補助具もあります。
歩かないと筋力が落ちてしまうので、これらの器具を使い安全に積極的に歩くと良いでしょう。
杖のつき方には2種類あります。
どちらも弱っていない方の足側に杖をつきます。
スタンダードなのは2動作歩行です。
杖と弱っている足を同時に出して1。
元気な足を出して2。
足を振り出すにくい場合は3動作歩行をします。
杖を前に出して1。
弱い足を出して2。
元気な足を出して3。
いずれの場合も、元気な足の斜め前に接地しましょう。
元気で長生きするためには、歩くことひいては歩き方がとても大事です。
また歩くのが大変な場合は、杖などを使ってでも、とにかく歩いた方が良いです。
動けると言う事は幸せにつながります。