愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『100歳まで元気でいるための歩き方&杖の使い方』西野英行

 

100歳まで元気でいるための歩き方&杖の使い方

100歳まで元気でいるための歩き方&杖の使い方

 

 

 

お年寄りが足などを骨折して、歩けなくなってしまうことがあります。

若ければしばらく安静にしていれば治るのですが、そうはいきません。

安静にしている間に筋力が落ちてしまい、関節も硬くなってしまいます。

そして悪くすると、寝たきりになってしまう。

そうするとさらに体力が落ち、免疫力も落ちます。そこから感染症を招き、ひいては命を縮めてしまうと言うことが起き得ます。

 

つまり、お年寄りがしっかりと歩けると言う事は、健康で長生きするためにとても大事だといえます。

 

お年寄りが転びやすくなるのは、いくつかの原因があります。

まずは筋力の低下です。歩くために必要な筋肉はお尻周りと足の筋肉です。それそれは筋肉が落ちないように、しっかり使っていくと良いです。

認知症や視力の低下もつまずいたり転んだりの原因になります。

それぞれ病院で治療したり視力を矯正したりして、適切に対応しておきたいものです。

また、薬の副作用も転倒のリスクになります。

睡眠作用や筋弛緩作用があるお薬は、起き抜けにふらついたり転んだりする心配が特に増えるので、注意が必要です。

他にもめまいやふらつきが副作用として出てしまう薬があります。

少しでも違和感を感じたら、お医者さんや薬剤師さんと相談することをお勧めします。

 

意外かもしれませんが、お年寄りが転んでしまう事故は、ほとんど自宅で起きています。

そのため、手すりを取り付けたり、床材を滑りにくいものに変えたりなどで、転倒事故をかなり減らすことができます。

 

歩き方は、すり足ではなく踵から接地したほうが安全です。

背中が丸くなるとすり足になりやすいので、できるだけ背筋を動かして歩きましょう。

 

場合によっては、杖を使った方が歩きやすいです。

1.帰り道に疲れてしまう

2.パーキンソン病

3.膝関節の変形による痛み

4.脳卒中の後遺症で足を振り出すにくい

5.圧迫骨折などにより背中が丸まっている

これらの人は、杖を使った方が歩きやすいかもしれません。

杖には様々な種類があります。

T字杖、4点杖、ロフストランドクラッチ、松葉杖などです。

サイドケインやシルバーカーなどの歩行補助具もあります。

歩かないと筋力が落ちてしまうので、これらの器具を使い安全に積極的に歩くと良いでしょう。

 

杖のつき方には2種類あります。

どちらも弱っていない方の足側に杖をつきます。

スタンダードなのは2動作歩行です。

杖と弱っている足を同時に出して1。

元気な足を出して2。

足を振り出すにくい場合は3動作歩行をします。

杖を前に出して1。

弱い足を出して2。

元気な足を出して3。

いずれの場合も、元気な足の斜め前に接地しましょう。

 

元気で長生きするためには、歩くことひいては歩き方がとても大事です。

また歩くのが大変な場合は、杖などを使ってでも、とにかく歩いた方が良いです。

動けると言う事は幸せにつながります。