愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『決定版中国語古典ジョーク集』駒田信二 王敏

 

決定版 中国古典ジョーク集 (じっぴコンパクト)

決定版 中国古典ジョーク集 (じっぴコンパクト)

 

 

 

中国ではジョークのことを笑う話と書いて、笑話というそうです。

これらの話には、我々が現在使っている言葉にもいくつかあります。

助長

苗がなかなか成長しないので、1本1本ひき伸ばした男。

後で畑行ってみると、苗はすっかり枯れてしまっていました。

 

矛盾

盾と矛を売っていた男。

この盾は頑丈で、どんなものでもこれを貫くことができない。

こちらの鉾は鋭利で、どんなものでもこれで貫けないものはない。

それを聞いていた者が、じゃぁその鉾でその盾を貫こうとしたらどうなるんだい?

 

朝三暮四

飼っている猿の食料を減らそうとして、これからお前たちにあるどんぐりを朝3つ暮は4つにするがどうだい?

猿たちは一斉に怒り始めました。

では、お前たちにやるどんぐりを朝は4つ暮は3つと言うことにしよう、それなら良いかい?

猿たちは一斉に喜びました

 

有名な言葉として残っていないお話でも、面白いものがたくさんあります。

袋の中に隠れているが、何が入っているんだろう?と言われて、米でございます、と答えてしまう男。

石につまずいて転び起き上がってすぐにまた転んで、こんなことなら起きるんじゃなかった、と言う男。

落語の饅頭怖いのように、怖がるふりをして饅頭をせしめ、その後はお茶が怖いと言う男。

 

中国でも漢字を使うので、漢字がらみのお話もあります。

女3人で姦と言う漢字にしたり、女と子供で好きという漢字にしたり。

川と言う事しか知らない男が、三と言う字を見つけて、こんなところに寝転んでいやがったと言ったり。

 

川に落ちて溺れかかっている男が息子に、銀3分以上なら助けてもらうな、と命令。

靴下を履かずに足を傷つけた男が、靴下を履いて来なくてよかったと言う、履いてきたら破れているところだった、と。

この辺は、落語の登場人物として何となく出てきそうです。

 

様々な国で、ジョークがあります。

お隣の中国は、漢字であったり宗教であったりが日本と近いので、違和感なく楽しめる気がします。

短い話がたくさんなので、軽くたくさん笑いたい人にオススメです。