東大に入って、ビジネスの世界で活躍して、成功を収めているように見えた著者。
元ライブドアの堀江貴文と、元大王製紙の井川意高の対談形式の著書。
はじめに
囚人番号2815番。
9が最高で0が最低のバカラ賭博で考えると、弱い数字で最悪の取り合わせだ。
番号を付与されてそう感じた井川意高は、カジノで熔かした108億8000万円を子会社から引っ張った「特別背任罪」で逮捕されました。
この男、全く懲りていない!
元々は堀江貴文に興味を持ち手に取ったのだが、こちらの著者もなかなかな人物のようです。
出だしから一気に惹きつけられました。
二人はそれぞれ別の罪により、刑事裁判で有罪判決を受け、刑務所に収監されます。
それぞれが口を揃えて言うのは、日本では誰がいつ逮捕されて刑務所に入れられてもおかしくない、という事です。
つまり、自分は罪を犯していないのに、特捜検察に目をつけられて逮捕される、そして刑事罰を受ける可能性がある、という事です。
本書でも、弁護士さんが特捜について同様の言及をする場面があり、信憑性が増しています。
刑務所内では多くのことが制限されます。
本の差し入れが3冊までだったり、運動時間が限られていたり、などです。
しかし堀江貴文はメルマガを配信する仕事は続けます。
本人は、これが刑務官による不当な扱いを逃れる抑止力になった、と述懐しています。
刑務所に収監されたら、みんな何らかの方法で、刑務官の行いを始め刑務所内の様子を発信していくと良さそうです。
井川意高は、刑務官のことをオヤジと呼んだり、収監されることをアカおちと言ったり、すっかり受刑者生活に馴染んでいるように見えます。それもまた、中でより良く生活するための知恵なのかも知れません。
刑務所に収監されたことで、それぞれの人生が変わったようにも見えます。
それも、何かを感じたり学んだりして、以前よりも良くなったようにさえ見えます。
逆に、何も変わっていないようにも見えます。
それも、もともと持っていた物が、収監されても変えられてしまわずにいるように。
この二人を見ると、収監されるのは嫌ですけど、そんな事もあるかも知れないし、そうなっても何とかなるよな、と思えて来ます。
特捜に呼び出される前に、ぜひ読んでおきたお一冊です。