そこで長年芸妓として過ごしてきた著者が、出会ったことや経験したことから得た、祇園の教訓を著したのが本書です。
著者は芸妓として15年間毎日数々のお座敷に出ます。
芸妓を引退してから、世間一般で花柳界が誤解されていることに気づきます。
廓と花柳界の違いが理解されていなかったり、娼婦や売春婦と芸妓や芸者の区別がつかなかったり、花柳界を隠微な色里と勘違いしている場合が多いようです。
実際は、家族連れで訪れる人もいる位、健全な場所です。
著名な人や一般の人が数多く訪れます。
物静かで謙虚な稲盛和夫さん。
合法磊落な本田宗一郎さん。
義理と人情の人、佐治敬三さん。
黒を顔に出さない塚本幸一さん。
誰に対しても誠実な湯川秀樹先生。
小説のモデルにしていただいた、有吉佐和子さん。
このようなそうそうたる人物と接していれば、自ずと様々なことを学び、成長できる素晴らしい職業だといえます。
そこまで一般で有名ではなくても、祇園の値段や紹介により置屋を訪れるというシステムから、立派な人物がお客様として訪れることが多いようです。
仕事ができる人は現場が好きだったりします。
はるかのために気を遣って、あえて仕事を誘ったり申します。
一流の男性は、目立たないおしゃれをしている場合が多いです。服装で相手への思いやりをしたりします。
靴を見ると相手がわかるといいます。
これは下足番のおっちゃんと言う人がお茶屋さんや料亭には必ず待機しています。
ある時、このおっちゃんがある会社の社長をしているお客様の靴を見て、お医者様に行くようにと進言します。
お客様は、別に体調悪くないのにな、と不審に思いながらも病院に行きます。
すると、肝臓に病気があるということがわかりました。
一流の人は、相手の言うことを素直に聞きます。
お金の使い方も上手だったりします。
また子供の教育に手を抜かなかったり、お付き合いする女性を選ぶのが上手だったり、プレゼントのセンスが良かったりします。
全てにおいて気を遣うのが、一流になるために良いような気がします。
それだと、少し気がつまるような気もしますが。全てにおいて気を使うのが、一流になるために良いような気がします。
それだと少し気が詰まるような気もしますが。
一流の人と接点がなかったり、より良い自分になりたかったり、祇園のことを知りたい人には、様々な学びがあるので、読んでみることをおすすめします。