愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『遺書』瓜田純士

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関東連合をご存知でしょうか?

朝青龍事件、市川海老蔵事件、六本木フラワー事件などで一躍有名になったグループです。

本書は、関東連合と近しい間柄にいながら完全には所属せず、また、六本木フラワー事件の原因の一つとなったK兄弟とも近しい間柄にある人物が、書きました。

これを書くことにより誰かに命を狙われるかも知れず、タイトルが遺書、というわけです。

 

著者は、新宿の小学校に通い始めます。

低学年から激しいケンカをする問題児で、時期に新宿にいられなくなります。

転校先の小学校も都心です。態度は改められることはありません。

そのまま中学校に上がり、いくつもの中学校の不良とケンカをしたり、その過程で仲良くなったりします。

 

著者は、中学校から上がる頃に、先輩から関東連合に入るように言われますが、入らない道を選びます。

同年代に関東連合に入る、入っている人が多くいます。

著者と同様に、入らない道を選んだKという兄弟がいます。

そして関東連合、K兄弟グループ、ヤクザになった著者と、それぞれ別の道を歩いて行きます。

ただし、同じ町で暮らしているので、親しい時期があったり、距離がある時期があったりしながら、付き合いは続いて行きます。

 

色々あったのち、六本木フラワー事件が起きてしまいます。

これは、関東連合がK兄弟の弟を襲撃しようとして、他人を撲殺してしまうという、大変痛ましい事件です。

 

アウトローの世界を垣間見る事が出来る一冊です。好みの人には、良い本だと思います。