著者は修道女です。
まだ30代の若さで、大学の学長を任されることになります。
本書を書いた現在は、かなりの高齢になっています。
本書は、著者の若い頃から現在までの経験や考えから得られた、数々の名言が紹介されています。
表題にもなっている、置かれた場所で咲きなさい、は若い頃に著者が送られた言葉です。
植物が、自ら動いて場所を選べないのと同様に、人も身体の不自由や環境を選べない場合があります。
それでもその場所で、それぞれの花を咲かせることは出来ます。
聖職者なので焦りや怒りなどの感情から遠くにいるのかと思いきや、思い惑わせられることはあるようです。
それが人というものなのかも知れません。
それでも著者は学生の悩みに寄り添ったり、模範として振る舞う必要があり、相当な苦労をしてきたようです。
エレベーターの閉まるボタンを押している自分に気づいた著者は、数秒くらい待つ余裕がある方が良いと考えます。
時間に貧しい多くの現代に暮らす人には、あるいはピンと来ない考えの気もします。
それでも余裕があるのは、人としての美しさに繋がっているような気がします。
多くの人が同じような考えを持てると、もっと優しい世の中になる気がします。