愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『輝く夜』百田尚樹 講談社文庫

 

輝く夜 (講談社文庫)

輝く夜 (講談社文庫)

 

 

クリスマスにまつわる短編集です。

それぞれ女性が主人公で、どれもハッピーエンドなので安心して読めます。

 

著者は長年放送作家として活躍してきましたが、作家として活動を始めたのは、意外に最近です。

それでも『永遠のゼロ』や『モンスター』や『海賊とよばれた男』や『カエルの楽園』など、数々の名作を発表してきています。

 

クリスマスに仕事を退職させられることになり、町を歩く主人が老人と出会い願いが3つかなうペンをプレゼントされます。

今まで人のために尽くしてきた主人公は、やはり彼女らしい願いをします。

 

両親が早くに亡くなり、苦労してやっと一人前の美容師になった主人公を、死病が蝕みます。

主治医にほのかな恋心を抱くが、クリスマスについに最期の時がきてしまいます。

しかしそこから、奇跡が起きます。

 

どの物語の主人公も健気で苦労をします。

そして、それぞれの幸せの形を手に入れます。

切なくて幸せな気持ちになる短編集です。

私は一話目で泣きました。