クリスマスにまつわる短編集です。
それぞれ女性が主人公で、どれもハッピーエンドなので安心して読めます。
著者は長年放送作家として活躍してきましたが、作家として活動を始めたのは、意外に最近です。
それでも『永遠のゼロ』や『モンスター』や『海賊とよばれた男』や『カエルの楽園』など、数々の名作を発表してきています。
クリスマスに仕事を退職させられることになり、町を歩く主人が老人と出会い願いが3つかなうペンをプレゼントされます。
今まで人のために尽くしてきた主人公は、やはり彼女らしい願いをします。
両親が早くに亡くなり、苦労してやっと一人前の美容師になった主人公を、死病が蝕みます。
主治医にほのかな恋心を抱くが、クリスマスについに最期の時がきてしまいます。
しかしそこから、奇跡が起きます。
どの物語の主人公も健気で苦労をします。
そして、それぞれの幸せの形を手に入れます。
切なくて幸せな気持ちになる短編集です。
私は一話目で泣きました。