愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『万引き依存症』斉藤章佳

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学生時代のバイト先に、よく万引きをしに来る人がいました。

現場を掴むことは出来なかったのですが、商品が無くなるのは、いつもその人が来た後でした。

商売を営む側からすると、実に憎むべき犯罪です。

場合によっては店の経営を圧迫して、さらには倒産の原因にさえなりかねません。

いい大人なのに何故万引きをするのか?

その答えは、依存症という病気でした。

 

著者は依存症を治療する病院で働いています。

一般的に依存症というと、タバコやアルコールが浮かぶと思います。

しかし、それだけではありません。 

この病院には、万引き依存症を治療する科が存在するのです。

 

娘の結婚式当日。

ちょっと必要な物が出たので、買い物に出る母親。

この、ちょっと買い物に行ったお店で、母親は万引きをして捕まります。

 

やってはいけないと思えば思うほど、やってしまう。これは完全に病気です。

そして、他の依存症と同様に、治療をして万引きの衝動をコントロールしていきます。

 

まずは、万引き依存症という病気があるのを知れるのは、大きな収穫かも知れません。

少し変わった依存症である事と、何より犯罪を犯してしまうという事は、大きな問題になりそうです。