著者は二件の殺人を犯した、無期懲役の囚人です。その著者が、刑務所の内部を綴っているのが本書です。
刑務所の中は、一般の人からは想像がつきにくい世界のはずです。
それを人物に焦点を当てて、詳しく描写しています。
刑務所に関しての法律が変わってから、中の雰囲気が変わりますました。
そのため、刑務官をバカにしたような態度をとる囚人さえいるようです。
万事がそんな感じで、反省なんて一切せずに出所して行きます。
恐ろしいことに、判で押したように同じ毎日は、あっという間に過ぎて行きます。
十年なんて右を向いて左を見たら過ぎている、なんて言い回しがあるそうです。
刑期が4〜5年になったら、あと少しだね、なんて会話が本気でなされるとか。
そのため、入ったときと同じような人間のまま、娑婆へ出て行くのです。
そりゃあ再犯するよな、と。
読んでいて恐ろしくなりました。
今の刑務所は、どうにかしないと、本当にいけない気がします。