愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『地下の鳩』西加奈子

 

地下の鳩 (文春文庫)

地下の鳩 (文春文庫)

 

 

『あおい』、『さくら』、『通天閣』、『ふくわらい』、『サラバ!』などを書いた、西加奈子の著書です。

 

大阪にある繁華街ミナミのキャバレーで、呼び込みとして働く、40過ぎの男。

若い頃ある程度女性から好かれた事で持った自意識を、未だに引きずっている。

あるとき、素人くささの残るスナックのチーママと出会い、惹かれてしまう。

そして、自意識と葛藤しながらも、女を手に入れるための行動を開始していく。

 

表題作ともう1話、『タイムカプセル』が、収録されています。

こちらは、『地下の鳩』のスピンオフのような作品で、オカマバーのマスターであるミミィが主人公です。

 

どちらも心理描写がくっきりしていて、感情が手に取るようにわかり、心が苦しくなります。

現実として、すぐそこにいるような人物たちで、何か手助けをしてあげたくなってしまいました。

 

 

サラバ! (上) (小学館文庫)

サラバ! (上) (小学館文庫)

 

 

 

サラバ! (中) (小学館文庫)

サラバ! (中) (小学館文庫)

 

 

 

サラバ! (下) (小学館文庫)

サラバ! (下) (小学館文庫)