著者は50歳男性で、妻と学生の息子がいます。
職を失い当座の生活をどうにかするために、ある程度の収入が得られる仕事を探していました。そんな時に、吉原のソープランドで住み込みの求人を見つけます。
東北に在住していましたが、単身で働く事を選びます。
選んだのは、総額8万円の高級店。
お給料は月40万円で、二人一室の寮暮らし。という話でしたが、面接で覆されます。
給料は30万円、寮は一室に四人で一部屋に二人暮らし、休みは月に2日、朝から働き夜帰れるのは 2時くらい。
完全に労働基準法を無視しています。
スーツの着用を義務づけられていますが、単に高級感を出すためだけです。
階段を全力で駆け登り駆け降り、掃除をしたり、ベッドメイクをしたり、動きにくく汗だくになります。
そして汗臭いと、何とかしろ、と言われます。
これでは、どんどん人が辞めるのは頷けます。
最終的に著者は、以前の職業に復帰します。
そうなるまでの糊口をしのぐ仕事が、ソープランドのボーイだったわけです。
とても大変な仕事だったようです。
でも、ここでの収入がなければ、破滅していたかも知れません。
どんな状況でも努力すれば何とかなる、と著者は結びますが、とても説得力がある気がします。