英国人のリンゼイ・アン・ホーカーという女性が殺害された事件の犯人が著者。
著者が、まさに警察に捕まりそうになりながら辛くも逃げ出し、逃亡生活の末に逮捕されるまでを描いた手記です。
殺人犯がどのように潜伏するか?がリアルに書いてある部位が、興味深かったです。
無人島や日雇いで、かなり厳しい生活を余儀なくされています。
それでも、捕まって晒し者になったり刑務所で過ごすよりは、良いと考えているのでしょう。
途中で思い出したように、被害者への謝罪が出てきます。
お遍路をしていた、とか。
でも、見つかりそうになるとすぐに止めて逃げます。
死刑になることを想像したりもします。
自分が辛い目にあって、それが償いになると考えでいるような場面もあります。
しかし、数十万円をかけた整形手術を繰り返したり、自らの手で人相を変えるために唇やホクロを切り落としたりします。
逃げることへの執着が、恐ろしく強いです。
また、女装をしている、とか、男娼をしていた、という報道に異常に反応します。
自己愛を物凄く強く感じます。
謝罪のために本書を書いた、と言いたいのかも知れません。
しかし、本心がそうだとは、私には思えませんでした。