第15回Rー18文学賞読者賞受賞作の『西国疾走少女』と、他四つの短編で構成されています。
短編は全て違う主人公ですが、それぞれの登場人物は同じで、全ての短編をと通して一つの物語になっています。
恵まれない家庭環境で育った少女が、中学生になって初めて恋をした。その相手は、初めて自分を大事にしてくれる人だった。
中学の時に憧れていた先輩は、太っていてすぐには分からないほどに変貌していた。
物語はあちこちの時間にとんで語られます。
短編の中でも、短編同士でも。
それが効果的で、読み終わってから、思わずため息が洩れました。
秀逸です。