愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『ジーキル博士とハイド氏』スティーブンスン

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ジキルとハイド。

本書を読んだことは無くても、その言葉を知っている人は多いのではないでしょうか。

 

学生の頃に一度読んではいたのですが、また違う印象を持ちました。

ジーキル博士は自らの悪い部分だけを、薬で取り出すことに成功します。

それがハイド氏です。

残りのジーキル博士は、多くの良い部分と、少しの悪い部分からなる人物です。

ハイド氏になって憂さ晴らしをして、普段はジーキル博士として、良いことをするという生活をします。

 

ここで、あることに思い当たりました。

ハイド氏を作る前のジーキル博士は、悪いことで憂さ晴らしをしたかった。

そのために別人格をあえて作り、それを成し遂げた。

つまり元々、まあまあな程度の悪い要素があったのではないか、と考えられそうです。

 

悪事を働いてスッキリする。

ちょっと、いや、大分恐ろしい人間の心理をついた作品です。