ジキルとハイド。
本書を読んだことは無くても、その言葉を知っている人は多いのではないでしょうか。
学生の頃に一度読んではいたのですが、また違う印象を持ちました。
ジーキル博士は自らの悪い部分だけを、薬で取り出すことに成功します。
それがハイド氏です。
残りのジーキル博士は、多くの良い部分と、少しの悪い部分からなる人物です。
ハイド氏になって憂さ晴らしをして、普段はジーキル博士として、良いことをするという生活をします。
ここで、あることに思い当たりました。
ハイド氏を作る前のジーキル博士は、悪いことで憂さ晴らしをしたかった。
そのために別人格をあえて作り、それを成し遂げた。
つまり元々、まあまあな程度の悪い要素があったのではないか、と考えられそうです。
悪事を働いてスッキリする。
ちょっと、いや、大分恐ろしい人間の心理をついた作品です。