愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『100分で名著 善の研究』西田幾多郎 若松英輔

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西田幾多郎氏の名著である『善の研究』を、若松英輔氏が解説している著書です。

 

哲学とは英知を愛することです。

西洋哲学は論理で証明します。

西田の哲学は直感、直覚の意義です。

理と言うものは言語に表し得るべきものではない。


至誠とは、涙によっても語れず、人の心の底から底へ静かに伝わる何者かである。

人は馬鹿者と言われねば、偉くない。

 

世間から見て愚かな道を愚直に歩ければ良い。

 

経験とは、個を超えた場所で生きること。

思惟とは個を超えた普遍的思考へと変わっていくこと。
人生の経験や世界を、人類の普遍の目で見る。

 

西田哲学は、人間の心の不思議は何か、それを経験する。

 

真理は1つ。知識と実践の両方を伴わなければならない。

知識とは頭、体、心の三位一体。


世界は1つでもあり、100人いれば100通りでもある。

人間は多数いて、人類は1つである。

 

(善の研究)には、問いと問いの深まりがあり、結論は無い。

他人の喜憂に自他の区別なくともに笑い泣く。

他者を愛し、知り、花を愛する。

花や月と一体化する。

親が子となり、子が親となる。

 

急いで読書をするべからず。

命で書いたものは命で読む。


善の研究』は、原文をただ読むのは難解な著書です。
まずはとっかかりとして、解説本は有効です。
物によりますが、本書は原作を読むのが楽しみになったので、良書と言えるはずです。