愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『東京に暮す』キャサリン・サンソム 大久保美春訳

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戦前の東京に暮らす著者。

イギリス外交官である夫の赴任とともに、来日しました。

その著者が、日本や日本人などを観察した事を、温かい眼差しで見つめて詳細に書き残してくれています。

 

使用人の気遣いの仕方。

よく笑う様子。

エルとアールの発音を使い分けることが出来ないので、全部アールになっている。

モガ

モボ

カフェバー

ミルクホール

 

人柄なのでしょうか、生き生きとした楽しそうな風景や人々が浮かび上がる文章です。

実は当時は、世界恐慌国際連盟脱退など、日本の状況はかなり悪かったはずなのです。

それでも町の人々は明るく生きていたのか?

著者に対してよく振る舞っていたのか?

実際はわかりませんが、読んでいて穏やかな気持ちになりました。