愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『哲学・宗教の授業』佐藤優

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著者が実際に大学で行った授業と同じ内容を、著書にしたものです。

 

ワラパルテの原則・何人かの専門家でネットワークを作れば権力は簡単に取れる

 

哲学は(悟性) (理性) (感性)など、得体の知れない言葉が出るので難解である

ドイツ語ではこれらが日常語として使われるため、ドイツ語圏の人は哲学を理解しやすい

 

クリティーク・吟味、検討

相手の論を踏まえて、自分の見解を付加していく。議論にはこれがとっても重要

 

虹の解釈も国によって異なる

中国では天が地上に怒っていると言う不吉な証

旧約聖書では、ノアに対してもう洪水を起こさないと言う、神様からの証

 

日本人にとっては関ヶ原は超重要、しかし他国人にとっては、あまり意味がない

 

ナチズム・アーリア人は優秀。それを増やそう

ファシズム・その国のためにみんなで頑張ろう。外国からは収奪しよう

 

民族問題・合理性や人権からの解明は不可能。神話、記憶、象徴などの非合理な内在論理の解明が不可欠

 

ナショナリズムには指導者がいない。動きだしたら止められない

 

物神崇拝・人の作った神話に、人が囚われてしまうこと。貨幣、AKBなど。

 

過剰に信頼してみるとその閾値が強く広くなる

不安だけど任せてみよう

嘘をついているみたいだけど許そう

 

バチカン・200から300年スパンで世界戦略を練る

1、対話でイスラム穏健派を味方にして、過激派と戦わせる

2、対話で中国も内側から崩す

 

イスラム

シーア派1割

スンナ派9割

 ハナフィー学派

 マーリキー学派

 シャフィト学派

 ハンバリ学派・過激派多い、世界は一つのカリフ国家たるべきと考えている

 

サウジアラビアではハンバリ学派の1つワッハーブ派が国教。

しかし、ウイスキーはぶどう酒からできていないから飲んでも良い。

買春も短時間結婚だから問題ないとみなす、等教義が乱れている

 

アルカイダ・グローバルジハード論。組織を作らず2〜3人でテロを世界各地で起こす。このため足がつきにくい。

ISも緩やかなネットワークのため根絶が困難。

 

アラブ社会では、神権。人権の反対語。

 

類比・関係ない物を並べて類似性を見出すこと

神と父など。

 

様々な事を知っておくと、様々に考えることが出来ます。

気持ちも楽になるかも知れません。

そして、相手を知るにはそのバックグラウンドを知っておくとよいのは、確かです。

本書を読むと、世界がかわる人がいる気がします。