愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『佐賀のがばいばあちゃん』島田洋七

f:id:kazuyoshisan:20201027164017j:image

お笑いコンビB &Bで活躍した、島田洋七氏が著者です。

本人の幼少期から中学校を卒業するまでの、自伝的な小説です。

タイトルのがばいばあちゃんとは、佐賀の方言で、すごいばあちゃんという意味です。

 

家庭の事情により、騙されて(‼︎)都会の広島から佐賀へ転居させられた著者。

まだ小学生です。

さらには、その日からおばあちゃんと、たった二人の生活。

そして、それは物凄い貧乏生活でした。

 

当時は今よりみんな貧かったとはいえ、群を抜いていたであろう極貧エピソードの数々。

しかし、そんな事はものともせず、明るく楽しく暮らすおばあちゃん。

そんなおばあちゃんのお蔭で、著者にも悲壮感はありません。

 

漫才師の著者には、そこまでの巧みな文章力はなく、文字数も少ないです。

しかしだからこそ、悲しい場面でも楽しい場面でも、読者の心を動かす作品になっている気がします。