愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『ローマ人への20の質問』塩野七生

ヨーロッパ諸国の覇者となった、ローマ人。

彼らは広大なローマ帝国を築き、数百年にも渡り、それを維持し続けました。

その彼らに対する疑問に答える形で、本書は構成されています。

 

ローマ人はラテン語ギリシャ語のバイリンガルだった

 

言語の成熟とは、どんなに複雑で繊細な思いも表現可能な語彙を持つ、ということである

 

事業はそれに関わる全員が利益を得ていたら成功していると言える

 

パクス・ロマーナ = ローマ人による平和

 

ローマは軍事でギリシャを圧倒したが、文化では征服された

→ローマが他民族の良い点を積極的に取り入れた表れ

 

最高の名誉は公共事業に私財を投じること

 

日本人と共通点が多い

入浴好き、体を洗ってから湯船につかる

温泉付き

家具が少ない

肉より魚

 

ラテン語は様々な言語を生んだ

イタリア語、フランス語、スペイン語ポルトガル語ルーマニア語

 

人種や宗教による差別をせず、優秀な人は元老院にまで取り立てた

 

ローマ人は他民族を支配したのではなく、他民族をローマ人にした

 

カエサルも敗者の子孫

 

民族主義:ある民族が他民族を支配する

普遍帝国:支配者と非支配者が混ざり共同で生活

 

普遍帝国は歴史上ローマだけ。おそらく多神教だから

敗者の神々にも神殿を立てて祀った

 

今は無い帝国ですが、多くの言語や哲学や道路や建築物など、未だに生き続けています。

彼らから学ぶべきことは多いようです。