愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『100分de名著 維摩経』釈徹宗

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維摩と言う在家仏教信者が教えを説く物語、というかお経を解説したものです。

異色のお話とも言われています。

 

自我(わがまま)を捨てる

 

自分の都合で物事を見ないようにする=知恵

・こうでなければならない、口であるべき

・親ならこうしたくれた当たり前

・友達なら気を遣って欲しい

 

出家したほうが楽→在家の方が修行になる

 

維摩経大乗仏教の流れで生まれた

 

大乗は釈迦の教えではないが、開発的仏教である

 

すべての執着を捨てよ

必要がなくなれば仏教も捨てよ

 

菩薩:仏道を歩むもの。出家在家は関係ない

 

すべてのものは常に変化している。小さなものの集合体である

→自分と言う実態はない

 

人々は老、病、死を避けられない

→ちゃんと苦しみと向き合い引き受ける

 

法(ありのまま):すべては関係性で成立、すべての存在は集合体

→こうすべき、こうありたいと言う、執着、思いを捨てた状態

 

空:すべてのものに実態はない

だから何にも執着しない→苦労を滅する

空=無分別:認識する側とされる側の境界がなくなった状態

 

乞食は与える側のものでもある。関係性で成立しているためである

 

自分の都合ではなく、相手を観察して話す

 

悟りを求める気持ちがあれば、在家も出家も同じ

 

智慧:客観的に物事の本質を見る

 

慈悲:他者に対しても我が子に寄り添うように接する

 

2者択一、二項対立を壊そう

 

泥があるからこそ蓮は咲く

 

縁起の実践:様々なコミュニティーにつながる

 

空の実践:それにしがみつかず、縁があれば関わり、なければ離れる

 

不二の法門=平等な世界:生と死は薪と灰の関係。状態が変化しているだけで、もとは同じもの。

 

釈迦の高名な弟子たちを、維摩というお爺さんがやり込めて行く、という爽快なストーリーでもあります。

そして、結局は釈迦と同じことを言っている、という。

楽しめてためになる、とても素晴らしいお経のようです。