愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『おらおらでひとりいぐも』若竹千佐子

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2018年のベストセラーです。

小説を書く教室に通った著者は、63歳という二番目に高齢での記録で芥川賞を受賞しました。

 

夫に先立たれた70半ばの桃子さんは、一人で暮らしています。

ネズミが騒がしい家の中は、それで寂しさを紛らわせるけど、やはり直接は顔を合わせたくありません。

物語は、桃子さんの頭の中で喋る複数人の桃子さんの対話、というか論争?がメインで進みます。

いつからかこのような人たちが、頭の中に住み着いた、ということでしょうか。この人たちは、永らく自身が使っていなかった、東北弁で話します。

 

高齢になると、頭も体も完璧に自分でコントロール出来なくなります。

どのようにそれをある程度の範囲でコントロールするか、折り合いをつけるか。

 

無くなった旦那さんを、桃子さんはとても大切に思っていました。

いまでも後悔があります。

もっと、してあげられたことがあったのでは無いか。

 

ほとんど全編を、桃子さんの頭の中で起きている事が占めます。

読者がある程度の年齢に達していたら、とても共感しやすいのではないでしょうか。

若かったり健康だったりすると、本当の意味でこの話は、わからないかもしれません、