一気読みしました。
岩波書店の著書を、こんなに引き込まれてあっという間に読むのは、小説以外だと初めてかも知れません。
著者は大学で哲学を教えたり、倫理学も修めている、知恵者です。
にも関わらず、まえがきの出だしから、
私はまじめな話がきらいである。
と、ぶちあげます。
全編にマンガの引用があり、頭に入ってきやすいです。
マンガを読みつつ、哲学者の解釈や講義を聞いているような感覚です。
そして、その講義がとても面白い。
「王様は裸だ!」と叫んだ子どもは、まわりの進歩的な大人に比べて、あまりに保守的であっただけだという可能性がある。
私には、宇宙の中に地球という惑星があって人類の歴史があり日本という国があるといった「現実」のほうが、荒唐無稽なつくり話のような気がしてならない。
数々の有名なマンガや、あまり知られていないマンガ。
子どもの頃に読んで意味がわからなかったけど、本書を読んでもう少し分かったことがある、ような気がします。
本当に深遠なんですね。
マンガも読みたくなるし、本書も時間をおいてまた読みたくなるし。
とても豊穣な時間でした。