愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『100分de名著 伊勢物語』高樹のぶ子

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平安時代、当時の教養は漢詩と漢文でした。

それに対して、和歌で圧倒的な才能や技巧を示した、在原業平

そんな彼は、技巧などを置いて、ただストレートに思いを伝えるだけ歌も送ったりします。

そんなところが魅力の一つのようです。

 

引歌:雅な行いの1つ

 

かきつばたの5文字を頭に置く:超絶技巧

 

自分の感情と自然の情景を結びつけて歌う

 

(ながめ)と(長雨)の掛詞

 

当時の宮廷:桜の春と紅葉の秋、どちらが雅か議論していた

 

多情多感:感受性が豊か→良い歌人の条件

 

漢字:男のことわり=頭脳

かな:女の情=身体

 

解明や解決が不可能なことに耐えられる

未知のものへの謙虚さ

叶わぬものに抗わない

→雅

 

伊勢物語源氏物語へと進化した

 

逢瀬の朝に男が女に後朝の歌を贈るのがマナーだった

 

業平には何でも受容する余裕があった

 

諸行無常

 

歌に対する自負心があるから惨めにならない

 

権力と日は相反するもの

 

心の底は全く同じ人(本人)にしかわからない

 

業平は言葉をばーっと空に放り投げた

誰かわからないがきっと拾ってくれる

 

和歌は天才的で、余裕がありみやびで、だけど権力争いや世間で生きるのには不器用さが垣間見られる。

なんとも魅力的な人ですね。

かぶきものや武士道とも通じるように感じます。

日本人として、見習いたいです。