中国でも名高い歴史書である『史記』を、能楽師の安田登氏が読み解いてくれたのが、本書です。
聖:人が高いところで大きな耳で聞き、それを口で話す様子。聖人とはよく聞くことができる人
甲骨文字は5千字。そのうち3千字は解読されていない。
中国政府が多額の賞金を出している
殷の時代は、占いで天意を問うていた
人々に徳を施し自ら利を独占しない
遠くを知る耳を持ち、細かい事を見る目を持つ
富んでも人を侮らない
人々の才能を見分けて適職につかせる
(能)でも、最も大切な事は文字には書いていない
呼吸や間も文字では書き表せない
詩、礼、楽
現実は小さい世界にこもりがち
自由なイメージは、未知の世界に行ける
故:この文字により論理が生まれた、A故B
論理が生まれると時間が生まれる
論理と心があれば神様よりも自分たちでなんとかしようとする
→いけにえも必要ではなくなる
文字は2次元で対象を表している
並べると直線、A→Bと言う論理ができた
世界は2次元ではないので論理には無理がある
人類には論理に代わるものが必要
例)ニューラルネットワーク、ディープランニングなどに可能性がある
史記には天変地異が起きたとだけ書いてある
→その歴史批判を暗示している
(平家物語)ある魚を食べたとだけ書く
→滅亡の前兆
法律の適用には例外があるのとないのとどちらが良いか
例)上級国民は逮捕されず、餓死寸前の貧民が食べ物を盗む
→考え続けることが大切
SNSによるアノニマス(匿名)の肥大化した意識の塊は恐怖政治とよく似ている
これが民主主義の限界か
法を決める人が邪な考えを持つと法は改悪されてしまう
(天道是か非か)天道と言うものは本当にあるのか?
劉邦が寝ていたら、その上に龍が見えた
能の舞台に月や波が見える人がいる
算盤を頭に浮かべて計算するのと同じ
温故而知新:既存の知識を煮詰める
→突如あらたな方法が浮かぶ
而:勉強してある時から急にわかるようになる
例)英単語を2000語覚えると、それから突然覚えやすくなる
史記から、漢字、言葉、それでは言い表せないもの、世界。
話題がどんどん広がっていきました。
とても有意義な講義を受けた後の、清々しい、そしてワクワクするような気持ちになります。