児童向けの図書で、一期一会というシリーズの一冊です。
博物館に剥製があります。
それは南極という極限の地域で、犬だけで生き抜いた立派な二匹です。
十五匹のカラフト犬。
人に飼育されていたため、自ら獲物を取る訓練などはしていません。
ところが人間の事情により、犬たちだけで南極に取り残されてしまいます。
録画をしていたわけではないので、実際にはどんなことがあったのかはわかりません。
それでも、タロとジロの二匹は、隊員が到着するまで生き延びていました。
子ども向けに、タロとジロが生き残る様子と多くの犬たちが死んでいく様子を、ドラマチックに描いています。
死と隣り合わせの環境の過酷さが、とてもリアルです。
隊員たちも辛かったのでしょう。
そして再開したときには、罪悪感が少し晴れたのかもしれないと、そんなことを思いました。