愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『曽根崎心中』近松門左衛門 角田光代

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江戸時代の遊廓で働かされている遊女。

そこに通いはじめた手代。

二人はお互いの全てを話して心を許しあった。

それぞれの境遇は似ていた。

 

遊女が幸せになるのは難しい。

遊女を幸せにするのは難しい。

そもそもこの時代で幸せになれるのは、限られた人たちだけではなかっただろうか?

 

ほんの少しのきっかけで自死に向かってしまう。

そうするしか幸せになれない。

幸せだと思えない。

本当に不憫でなりません。