この世は自分のためにあるようだ
そのように唄った藤原道長。
中臣鎌足が中大兄皇子から藤原の姓を頂き、その子不比等が、藤原氏が隆盛する礎を築きました。
本書の主人公は藤原不比等です。
様々な権謀術数が渦巻く政の世界で、自らの欲望を成し遂げていきます。
多くの慣例や決まり事を覆していくさまは、読んでいてとても痛快に映ります。
かなり大変な世界なのは、今も昔も同じなのでしょうけど。
無常感も持ちつつ、それでも邁進する不比等。
著者からすると珍しいテーマですが、読むととても合っているように感じました。
名作です。