愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『重要証人 ウイグルの強制収容所を逃れて』

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著者:サイラグル・サウトバイ

  アレクサンドラ・カヴェーリウス

訳:秋山勝

 

北京五輪のボイコットが行われます。

その大きな理由がウイグルでの弾圧です。

本書は実際にそこで中国当局による弾圧を受けて、何とかそこから逃れてきた著者による、ルポルタージュです。

 

弾圧にも程度や方法で様々なものがあります。

ここで行われていることは、民族を消滅させるという目的を持っているようです。

漢民族とは婚姻関係を結べるが、ウイグル同士では出来ないようにする。

無理矢理肉を食べさせるなど、宗教の戒律を破らせる。

女性の家に漢民族男性を派遣し、合法的な強姦を行わせる。

学校ではウイグルではなく漢語を習わせる。

罪のない人を施設に拉致し、洗脳する教育を施す。

 

文化、言語、子孫を奪う。

誇りも人間性も土地も。

絶対に許されないことが、中国当局により行われている。

読むだけでも気分が悪くなります。

それでも、それだからこそ、私たちは知らなければならない。

そして、手を差し伸べなければならない。