知る人ぞ知る漫画家の吾妻ひでお氏。
ある時期に失踪して、ホームレス生活を送ります。
なんとか帰ってきて、漫画家としての活動を再開して、多くの賞をもらいます。
本書では、失踪していた(逃亡していた)時期の出来事や心境を現在から振り返ってみて、解説しています。
漫画あり、写真あり、アシスタントやご家族のコメントありと、なかなか盛りだくさんな内容です。
本書を読み進めていくと、自身では気づかないうちに、著者がアルコール依存症だったことが明らかになってきます。
その影響で仕事に支障をきたしたり、自殺願望が芽生えたりします。
おそらく失踪したのも無関係では無いはずです。
少し何かが違えば自殺が成功してしまっていたかもしれません。また、凍死していたかもしれません。そうすると、逃亡後の著作群も世に出てはいなかったことになります。
本書は様々な読み方が出来ますが、アルコール依存症の人にぜひ読んでもらいたいです。
きっと何かの手助けになるはずなので。
淡々と書いていますが、著者は本当に辛かったのだと思います。
無事で戻ってこられて本当に良かったです。