その自伝的著書が本書です。
ドイツ人なのでもともとはドイツ語で書かれていて、本書は翻訳された物です。
訳者はヒトラーに賛同しているわけでは全く無い、と断り書きがあります。
ヒトラーの少年時代から、本書は始まります。
著者が読者に強く語りかけるような文章です。
何かを伝えたい、何かに巻き込みたい、という意志を強く感じます。
これはホロコーストなどを知っている、私たちが読むからなのかも知れませんが。
非常に強い自己愛、個人だけで無くドイツやドイツ人も含めた、を感じます。
主義主張は当然間違っています。
しかし…。
どこが良くないのか?
なぜ良くないのか?
どう危険なのか?
このような考えに至る経緯は?
このような人物がどのような話し方をするのか?
また、どんな意図を持って話しているのか?
これらを考えながら読むと、多くのことが得られるはずです。
ただし、何も知らず、何も考えずに読むと、本当に良くない著書にも感じました。