愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『最高の死に方最悪の死に方』近藤誠

安楽死尊厳死自死
どれも人や国により考え方は違います。
本書は医師として終末医療に携わってきた著者による、最後についての医療のお話です。

日本では鎮静 = 安楽死

 

寝たきりで点滴のみ2年間、視線は動く、わずかに表情が動く程度、という状態はある

 

人工呼吸器を外すと数分で死亡する

外すのに心理的な抵抗が大きい

 

悪性腫瘍患者が意識を失ったところを著者は放射線で救命した

目覚めた患者がその顛末を聞き「なんと言うことを…」と言った

 

昔、がんは告知すること自体がタブーだった

これは医者がオペをしたいと言うだけの理由であった

 

がん自体の多くは痛みが生じない

痛みが出る原因はオペの交渉や抗がん剤の副作用である

 

飲食を断って自主的な安楽死を実行する人たちがいる

 

オペ後がんが増える理由

術部に分泌される増殖因子によるもの

脈管浸潤からの再発

微細転移巣が抵抗力の低下により増える

 

抗がん剤を受けない患者には倦怠感や不穏、興奮は見られない

日本人の平均寿命が伸びたのは栄養状態の改善と環境衛生の改善

医療の発達によるものではない

 

「食べられなくなったらおしまい」

そう考えるのは正常なのではないか

至極真っ当に聞こえる部分が多いです。
しかし終末医療は、一般の人は考えることもなかったり、知らなかったりする間に進んでしまうことが多いように思います。