愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『カラマーゾフの兄弟』ドストエフスキー

考えうるあらゆるタイプの人間が、自らの誇りをかけてぶつかり合いを演じる、カーニバル的空間

 

物語層:プロット(筋)

自伝層:自らの人生から何をどう切り取り、意味付けているか

歴史層:作者の歴史認識を示す。文化的基礎を反映

象徴層:複数の原理の対立と解決。神の有無、罪、悪とは何か?思想、施策

 

神をなければ全てが許される。

 

何が1番重い罪だ?

1つは父親殺し、もう一つは兄弟殺し

 

ペチャーチ: (ロシア語)焼きごて、去勢

 

スコープレーニエ: (ロシア語)去勢、蓄財

 

子供を作らない

少子化

→国力の弱体化

 

もともと志のない人間は傷つかない。誇りや志があるからこそ、人は傷つく。

 

プロ(肯定)、コントラ(否定)、生死、精神と物質、信仰と革命

 

修道僧として、精神的な高みを目指すのは良いが、世に出て、市井の人々の喜怒哀楽をしっかり見るのも必要。

 

人は誰も裁くことができない

自分も全くおなじ罪人

 

我々「罪人」はどうすれば、人格形成が実現するのか?

→まずは自分の罪を自覚する。

→痛みや苦しみも勇気を持ち受け入れる。

 

他者の運命を支配する

→人間の驕りの極み

 

まずは生命を愛する

 

「黙過」:不幸や苦難を見てみるふりをすること。

 

ロシアの大地から生まれる精神性や文化を重視する土壌主義。

 

キリスト教では「泥棒」と「卑怯者」の間に大きな違いがある。

 

神は罰したいと思うものからまずは理性を奪う

 

 

ロシア人の考え方や精神性を理解するのに、とてもためになる著書です。

キリスト教が土壌になっているけど、ロシア独特の信仰へと変貌しています。

また信仰を持たない人もいます。

そして多くの言語もそうですが、ロシア語にも日本語で訳しきれないものがあり、それに触れることもロシア人を理解する手助けになるはずです。