「あぁ、そうか」
読み進めていくうちに、絶望的な感覚でそう思いました。
著者は、事件を起こして収監された非行少年のメンタルに関わる仕事をしています。
それで気がつくのですが、彼らの中には事件や感情や諸々を、きちんと理解できていない者が存在します。
シンプルにいうと、知的障害を抱えているのです。
そのため、通常の感覚で話したり反省を促しても、とてもではないが理解できない。
そもそも、その障害が無ければ犯罪を起こしていないのかも知れません。
逆に言えば、この障害を理解されなければ、社会に出てもまた同じ犯罪をしてしまいます。
また、再犯をしなかったとしても、ずっとおかしな心理状態で生きて行かなければならないかも知れない。
本書では少年にスポットを当てていますが、大人の受刑者にもきっと同様の人物はいるはずです。
こんなに人たちに、社会は何ができるというのでしょうか?
どうしたら良いのでしょうか?
わたしにはとても難しくて、手に負えません。