愛すべき本たちの備忘録。たまにかたい本も。

様々な書評です。参考にして頂けると幸いです。

『神待ち少女』

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家出少女がいる。

家が無かったり、泊まるところが無い少女、と言い換えても良い。

この子たちは、どうやって夜を過ごすのか。

その手段のうちの一つが、神待ち、だ。

 

ネットの掲示板で、自分を泊めてくれる相手を探す。

もしかしたら、今ではそんなアプリがあるかも知れない。

ともあれ、当時は掲示板、である。

通常はこのような取引には返礼が伴う。

独身男性の家に少女がタダで泊まれるだろうか?

それをさせてくれるから、神、なのだそうだ。

なぜそんなことが可能なのだろうか?

著者はそれが知りたくて、取材を重ねた。

 

考えてみると、不思議でもなんでも無いのかも知れない。

これらの男性は、要するに少女から好かれたいのだ。

学生時代、好きな異性の恋の手助けをする。

キャバクラでものにできない嬢に、ひたすらお金を注ぎ込む。

これらの行為とほぼ同じだろう。

下心はある。

でも、それを出したら嫌われるかも知れない。

そうして、それを隠しているうちに、もはやそのように振る舞わざるを得ない関係性が醸造されていく。

 

なんとも報われない話だが、それで上手く世の中は回っているようだ。

「神!」

と言いながら、髪の毛一本ほどの敬意も払われず、男たちは一夜の宿を提供している。

常に男は女に勝てないと言われる所以だろう。