今週のお題「自分で作った◯◯」
動物医療に使う器具で『エリザベスカラー』と呼ばれるものがある。
犬や猫が首に装置する、パラボラアンテナのようなものである。
かのエリザベス女王の服飾品であるカラーになぞらえてそう呼ばれているのだと知ると、何とも優雅な気分にならないだろうか。
動物もそう感じるかは、はなはだ疑問ではあるが。
この器具は、動物が手術跡や傷を舐めたり齧ったりしないように、という目的で使用される。
犬や猫には、数多くの既製品がある。
フクロモモンガという動物がいる。
ムササビの類だというと、イメージしやすいだろうか。
グライダーのように滑空する、なんとも奇妙だがそれでいて愛らしさも兼ね備えているため、家庭で度々飼育されている。
ところでこのフクロモモンガは、何とも獣医泣かせの動物である。
とにかく『気にしい』なのだ。
少し足の指を怪我したと思ったら、膝まで齧り取ってしまうことがある。
そんなだから手術をした時にいくら丁寧に縫合しても、執拗に術創を気にして開き、自らのはらわたを引き摺り出すという暴挙に出るとこもある。
これではなるべく手術をしたくない、と獣医が思ってもおかしくはないだろう。
ーそれでも明日はやってくるー
嫌だな、と思っていても、やはり手術が必要なフクロモモンガはやって来ます。
だって動物病院だもの。
(筆者は動物病院で働いています)
手術は無事に成功しました。
カラーも自作してつけました。
麻酔から覚めました。
七転八倒して、とにかくカラーを取ろうともがき続けます。
それでも、おお!
カラーは外れませんか諦めて大人しくなるフクロモモンガ。
実は以前も同様のことがあり、何度もカラーを外されてはつけ直したという、かなりほろ苦い思い出があるのです。
それが今回はバッチリはまりました。
ここ最近自作したものの中で、間違いなくベストワンです。