
幼い頃に祖母の家に泊まりに行った。
山奥にあるその家は、普通の家と長家のような家と土間でほぼ居住に使っていない昔の家との、3つあった。
いつも普通の家と長家で過ごしていたが、ある時昔の家に、干し柿を取りに行く機会があった。
今まで嗅いだ事の無かった土と柿と山と小川の混じったような匂いを感じた。
昼間なのに薄暗い玄関だけど、不思議と居心地は良かった。
部屋の中には、どこの隙間からかはわからないが明かりが差し込み、光の線を作っていてその中をゆっくりと塵のようなものが舞っていた。
日本にしか恐らく無いであろう空間がある。
それは温泉街の秘宝館のような所かも知れない。
それはそれで、非日常という貴重さはある。
それぞれに味わい深い趣がある。